わが国の乳牛におけるレプトスピラ症の抗体調査

日本の乳牛におけるレプトスピラ症の全国的な浸潤調査を実施した.スクリーニング試験としてバルク乳を用いたELISAを実施した結果,249農場中78農場(31.3%)がLeptospira interrogans血清型Hardjoに対して陽性を示した.北海道と東北が高く,それぞれ50.0%と47.5%であった.ELISA陽性牧場から無作為に抽出された約20頭の血清を用いて,病原性レプトスピラ8血清型について顕微鏡凝集反応(MAT)を行った.1,510検体中688検体(45.6%)が抗体陽性を示し,北海道の陽性率は67.5%で特に高い値を示した.血清型別ではL.interrogans血清型Hardj...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2013/07/20, Vol.66(7), pp.463-467
Hauptverfasser: 菊池, 直哉, 鳥海, 史恵, 中野, 良宣, 森谷, 浩明, 高橋, 樹史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:日本の乳牛におけるレプトスピラ症の全国的な浸潤調査を実施した.スクリーニング試験としてバルク乳を用いたELISAを実施した結果,249農場中78農場(31.3%)がLeptospira interrogans血清型Hardjoに対して陽性を示した.北海道と東北が高く,それぞれ50.0%と47.5%であった.ELISA陽性牧場から無作為に抽出された約20頭の血清を用いて,病原性レプトスピラ8血清型について顕微鏡凝集反応(MAT)を行った.1,510検体中688検体(45.6%)が抗体陽性を示し,北海道の陽性率は67.5%で特に高い値を示した.血清型別ではL.interrogans血清型Hardjo(43.9%)の陽性率が最も高く,次いでL.interrogans血清型Hebdomadis(38.9%)の陽性率が高かった.MATを行った血清について同様にELISAにより血清型Hardjo抗体を検索したところ,1,510検体中723検体(47.9%)が抗体陽性を示しMATの結果と一致した.以上から,日本における牛レプトスピラ症が血清学的に確認され,本症が日本において広く浸潤していることが示唆された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.66.463