スギこぶ病菌の所属再検討

形態的特徴の観察および分子系統解析により,スギこぶ病菌の分類学的所属の再検討を行った。形態的特徴の観察を行った結果,本病原菌はBotryosphaeria属の一種と考えられた。しかしながら,28S rDNA領域による分子系統解析の結果では,Phyllosticta属のクレードに含まれ,さらにITS-28S rDNA,actin,およびβ-tubulinの部分領域の結合配列を用いた分子系統解析の結果,Phyllosticta属内においても独立した単系統群を形成した。本菌の所属を確定するには,両属の形態学的な分類基準を改める必要があるものの,本菌はPhyllosticta属の一新種である可能性が高...

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Veröffentlicht in:Nippon Kingakkai kaiho 2013-05, Vol.54 (1), p.15-26
Hauptverfasser: 安藤, 裕萌, 本橋, 慶一, 矢口, 行雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:形態的特徴の観察および分子系統解析により,スギこぶ病菌の分類学的所属の再検討を行った。形態的特徴の観察を行った結果,本病原菌はBotryosphaeria属の一種と考えられた。しかしながら,28S rDNA領域による分子系統解析の結果では,Phyllosticta属のクレードに含まれ,さらにITS-28S rDNA,actin,およびβ-tubulinの部分領域の結合配列を用いた分子系統解析の結果,Phyllosticta属内においても独立した単系統群を形成した。本菌の所属を確定するには,両属の形態学的な分類基準を改める必要があるものの,本菌はPhyllosticta属の一新種である可能性が高いと考えられた。
ISSN:0029-0289