夜間掛流し灌漑による水田水温と葉温低下

水稲の高温登熟障害の対策として,掛流し灌漑が注目されており,これによる被害粒の減少が報告されている。一方で,最適な掛流し灌漑方法や掛流し灌漑による高温障害抑制メカニズムは明らかでない。そこで,本研究では,異なる灌漑水量・水深の下で掛流し灌漑試験を行い,水田内の水温分布,高さごとの葉温・群落内気温の測定を行うことで,掛流し灌漑による水温・葉温冷却効果について検討した。その結果,掛流し灌漑による水温低下効果は水口に近いほど大きく,灌漑水量が多いあるいは水深が浅いほど遠方まで水温冷却効果が及ぶことが明らかになった。また,水温低下に伴う葉温と群落内気温低下効果は,群落下部では大きいが,上部ではほとんど...

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Veröffentlicht in:Suido no chi 2013, Vol.81(4), pp.297-300,a2
Hauptverfasser: 西田, 和弘, 宇尾, 卓也, 吉田, 修一郎, 塚口, 直史
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:水稲の高温登熟障害の対策として,掛流し灌漑が注目されており,これによる被害粒の減少が報告されている。一方で,最適な掛流し灌漑方法や掛流し灌漑による高温障害抑制メカニズムは明らかでない。そこで,本研究では,異なる灌漑水量・水深の下で掛流し灌漑試験を行い,水田内の水温分布,高さごとの葉温・群落内気温の測定を行うことで,掛流し灌漑による水温・葉温冷却効果について検討した。その結果,掛流し灌漑による水温低下効果は水口に近いほど大きく,灌漑水量が多いあるいは水深が浅いほど遠方まで水温冷却効果が及ぶことが明らかになった。また,水温低下に伴う葉温と群落内気温低下効果は,群落下部では大きいが,上部ではほとんど認められなかった。
ISSN:1882-2770
1884-7196
DOI:10.11408/jjsidre.81.4_297