炭酸ナトリウム添加による凍結ゴマサバ肉の加熱ゲル形成能の向上

原料の輸入依存度が高い水産ねり製品業界においては,国内で安定的に供給される新たな原料の開発が求められている.著者らは,現在,主に養殖魚の餌料用として消費されている凍結ゴマサバに着目し,ねり製品の原料としての可能性を検討した.赤身魚のゲル形成能の向上のために一般的に用いられているアルカリ晒しは,凍結ゴマサバでは効果が認めらなかった.しかしながら,塩摺り肉に炭酸ナトリウムを添加してすり身のpHを9.0に上昇させるとゲル形成能は向上した.さらに,炭酸ナトリウムを添加した塩摺り肉では予備加熱(30°C)による坐りの効果が顕著に認められた.以上の結果から,凍結ゴマサバはねり製品の新たな原料として使い得る...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Japan Journal of Food Engineering 2013/03/15, Vol.14(1), pp.29-36
Hauptverfasser: 美濃, 松謙, 矢野, 竹男, 三島, 隆, 青木, 恭彦, 大井, 淳史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:原料の輸入依存度が高い水産ねり製品業界においては,国内で安定的に供給される新たな原料の開発が求められている.著者らは,現在,主に養殖魚の餌料用として消費されている凍結ゴマサバに着目し,ねり製品の原料としての可能性を検討した.赤身魚のゲル形成能の向上のために一般的に用いられているアルカリ晒しは,凍結ゴマサバでは効果が認めらなかった.しかしながら,塩摺り肉に炭酸ナトリウムを添加してすり身のpHを9.0に上昇させるとゲル形成能は向上した.さらに,炭酸ナトリウムを添加した塩摺り肉では予備加熱(30°C)による坐りの効果が顕著に認められた.以上の結果から,凍結ゴマサバはねり製品の新たな原料として使い得ることが示唆された.
ISSN:1345-7942
1884-5924
DOI:10.11301/jsfe.14.29