積雪が2008年の岩手・宮城内陸地震によってドゾウ沢源頭部で発生した深層崩壊に与えた影響

2008年6月の岩手・宮城内陸地震によって東栗駒山東斜面で発生した崩壊の実態について、現地調査と空中写真判読、GISによるDEMの解析を元に考察を行った。その結果、崩壊は主として標高1300m付近の凸型斜面で発生したと推定された。標高1250m以下の斜面には崩壊前の植生や積雪層が残存した場所もみられることから、この領域は削剥域ではなく土砂の流送域と思われる。崩壊地内には表層土壌に植生が付着した板状体や、先端が切断されて刈り込まれたようなササが多く見られることから、深層崩壊に先行して全層雪崩が発生したことが推定された。わが国の多雪山地には積雪期間が年間の半分以上に達する山地が多くみられるが、積雪...

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Veröffentlicht in:Shinrin Sōgō Kenkyūjo kenkyū hōkoku 2013-03, Vol.12 (1), p.67-73
Hauptverfasser: 大丸, 裕武, 村上, 亘, 小川, 泰浩, 川浪, 亜紀子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:2008年6月の岩手・宮城内陸地震によって東栗駒山東斜面で発生した崩壊の実態について、現地調査と空中写真判読、GISによるDEMの解析を元に考察を行った。その結果、崩壊は主として標高1300m付近の凸型斜面で発生したと推定された。標高1250m以下の斜面には崩壊前の植生や積雪層が残存した場所もみられることから、この領域は削剥域ではなく土砂の流送域と思われる。崩壊地内には表層土壌に植生が付着した板状体や、先端が切断されて刈り込まれたようなササが多く見られることから、深層崩壊に先行して全層雪崩が発生したことが推定された。わが国の多雪山地には積雪期間が年間の半分以上に達する山地が多くみられるが、積雪はこのような山地における深層崩壊の移動メカニズムに大きな影響を与える要因の一つと考えられる。
ISSN:0916-4405