香辛料ナツメッグのアフラトキシンB群およびB, G群汚染と汚染原因菌について

アフラトキシンB群(AF-B)に汚染した15試料とアフラトキシンB,G (AF-B,G) 両群により汚染した10試料の輸入インドネシア産ナツメッグについて,AF産生菌を分離し,そのAF産生能と分布を調べた.その結果,総AF汚染濃度が高い試料ではAF産生菌数 (CFU/g) が多く,低い試料ではAF産生菌数 (CFU/g) が少ない傾向があった(r=0.752).ただし,分離菌株のYES液体培地におけるAF産生性をTLCおよびポストカラムフォトケミカル反応によりHPLCで調べたところ,高濃度汚染の試料から分離された菌株が必ずしもAF産生能が高いとは限らなかった.AF-B,G群に汚染した3試料から...

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Veröffentlicht in:Shokuhin eiseigaku zasshi 2012/10/25, Vol.53(5), pp.211-216
Hauptverfasser: 岡野, 清志, 富田, 常義, 大図, 祐二, 高井, 光宏, 小瀬, 彩華, 小塚, 暁子, 池田, 奈緒子, 坂田, 淳子, 久米田, 裕子, 中村, 信也, 一戸, 正勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:アフラトキシンB群(AF-B)に汚染した15試料とアフラトキシンB,G (AF-B,G) 両群により汚染した10試料の輸入インドネシア産ナツメッグについて,AF産生菌を分離し,そのAF産生能と分布を調べた.その結果,総AF汚染濃度が高い試料ではAF産生菌数 (CFU/g) が多く,低い試料ではAF産生菌数 (CFU/g) が少ない傾向があった(r=0.752).ただし,分離菌株のYES液体培地におけるAF産生性をTLCおよびポストカラムフォトケミカル反応によりHPLCで調べたところ,高濃度汚染の試料から分離された菌株が必ずしもAF産生能が高いとは限らなかった.AF-B,G群に汚染した3試料からAF-B,G群産生菌を分離した.これらの菌種は形態学的特徴,37℃と42℃における発育速度の相違,および遺伝学的解析に基づき,A. nomiusとA. bombycisと同定された.農産物のAF-G汚染の原因菌としてはA. parasiticusが注目されてきたが,今回の結果から,輸入インドネシア産ナツメッグにおいてはA. nomiusとその近縁種であるA. bombycisがAF汚染の原因である可能性が示唆された.一方,AF-B群産生菌はすべてA. flavusと同定された.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.53.211