水温が養殖ブリのミコバクテリウム症の発症に及ぼす影響

養殖ブリのミコバクテリウム症の発生要因を探るため,本症による被害が多い鹿児島県北部の養殖漁場と錦江湾内の養殖漁場のブリの本症に対する感染状況と夏期の水温を比較した。その結果,血中抗体価,鰓と腎臓における原因菌の存在状況には差がなかったため,感染状況に差はないと判断された。一方,水温は北部が最高で約28℃であったのに対して,湾内では約30℃に達した。そこで,本症原因菌を25℃(至適温度)と30℃でそれぞれ培養後ブリに接種し,高水温条件(27~29℃)と低水温条件(17~23℃)での死亡率を調査したところ,高水温下では25℃で培養後接種した実験区の平均致死日数が短く,低水温下では死亡率が高かった。...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Suisan Zoshoku 2012-09, Vol.60 (3), p.405-410
Hauptverfasser: 今岡, 慶明, 山本, 淳, 荒木, 亨介, Lacierda, E.C
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:養殖ブリのミコバクテリウム症の発生要因を探るため,本症による被害が多い鹿児島県北部の養殖漁場と錦江湾内の養殖漁場のブリの本症に対する感染状況と夏期の水温を比較した。その結果,血中抗体価,鰓と腎臓における原因菌の存在状況には差がなかったため,感染状況に差はないと判断された。一方,水温は北部が最高で約28℃であったのに対して,湾内では約30℃に達した。そこで,本症原因菌を25℃(至適温度)と30℃でそれぞれ培養後ブリに接種し,高水温条件(27~29℃)と低水温条件(17~23℃)での死亡率を調査したところ,高水温下では25℃で培養後接種した実験区の平均致死日数が短く,低水温下では死亡率が高かった。このため夏期の水温の違いが鹿児島県内2か所の養殖漁場での本症の発生状況に違いをもたらすと考えられた。
ISSN:0371-4217