アルミニウム材の利用および熱ストレス, トレハロース処理による青果物の急速冷凍法
青果物の長期貯蔵を考えると, 冷凍貯蔵法が有効である. しかし, 植物細胞は硬い細胞壁があるので, 冷凍すると, 動物細胞より壊れやすいという問題がある. 本研究では, 簡易・安価な方法として, 通常の低温ストッカーを用い, 冷凍による青果物の細胞破壊を抑制するためアルミニウム材を有効に利用した急速冷凍, 40~50°Cのマイルドな熱ストレス処理, トレハロース処理の3つの方法による急速冷凍法を検討した. 冷凍時間は, スライストマトの場合, アルミニウム板の厚い方が素早く冷凍できた. また, 片側のみの接触では10分程度であったが, 両側から接触させると3~4分ほどに短くなり, 約2.5倍速...
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Veröffentlicht in: | 植物環境工学 2012/09/01, Vol.24(3), pp.185-192 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 青果物の長期貯蔵を考えると, 冷凍貯蔵法が有効である. しかし, 植物細胞は硬い細胞壁があるので, 冷凍すると, 動物細胞より壊れやすいという問題がある. 本研究では, 簡易・安価な方法として, 通常の低温ストッカーを用い, 冷凍による青果物の細胞破壊を抑制するためアルミニウム材を有効に利用した急速冷凍, 40~50°Cのマイルドな熱ストレス処理, トレハロース処理の3つの方法による急速冷凍法を検討した. 冷凍時間は, スライストマトの場合, アルミニウム板の厚い方が素早く冷凍できた. また, 片側のみの接触では10分程度であったが, 両側から接触させると3~4分ほどに短くなり, 約2.5倍速く冷凍できた. 一方, 丸ごとのトマトに対しては, アルミニウム容器にトマトを収納しアルミニウム粒で埋没させることにより約20分での冷凍を可能にした. このように, アルミニウム材が急速冷凍に有効と分かった. 熱ストレス処理については, 気温45°C, 24時間の熱ストレス負荷をトマトに与えることで, 冷凍による細胞破壊や組織のクラックをある程度抑制できた. トレハロース処理については, トマトの果柄をトレハロース溶液に24時間以上漬けてトレハロースを吸収させ, その後冷凍させれば, 冷凍による組織のクラックを抑制できた. 以上より, 熱伝導性の高いアルミニウム材を有効利用した急速冷凍法と熱ストレス処理, トレハロース処理を適切に組み合わせた冷凍法が, 水分含量の多い青果物の冷凍に有効であり, 安価かつ簡易な急速冷凍法を確立する上で重要と考えられる. |
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ISSN: | 1880-2028 1880-3563 |
DOI: | 10.2525/shita.24.185 |