水稲品種「コシヒカリ」の高温登熟回避を目的とした 晩植条件下における密植栽培の評価

高温登熟回避を目的として晩植したコシヒカリにおいて,密植栽培が生育,収量および品質に及ぼす影響を調査するとともに,晩植・密植栽培導入の有効性について評価した.その結果,穂数は栽植密度が高いほど多くなり,収量は18.2株/m2区に比べて21.2株/m2区および24.2株/m2区で高かった.また,登熟期間に日射量が少ない年次においては,栽植密度が高いほど収量が増加した.外観品質は晩植・密植栽培を行うことで2ヶ年を通して高水準となり,登熟期間に日射量が多い年次でより整粒歩合が高かった.これらのことから,晩植条件下における密植栽培は収量・品質の安定化に有効であり,加えて,登熟期間の高温を回避しつつ日射...

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Veröffentlicht in:Japanese journal of crop science 2012, Vol.81(3), pp.349-356
Hauptverfasser: 守田, 和弘, 松島, 知昭, 山口, 琢也, 齋藤, 綾乃, 古畑, 昌巳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:高温登熟回避を目的として晩植したコシヒカリにおいて,密植栽培が生育,収量および品質に及ぼす影響を調査するとともに,晩植・密植栽培導入の有効性について評価した.その結果,穂数は栽植密度が高いほど多くなり,収量は18.2株/m2区に比べて21.2株/m2区および24.2株/m2区で高かった.また,登熟期間に日射量が少ない年次においては,栽植密度が高いほど収量が増加した.外観品質は晩植・密植栽培を行うことで2ヶ年を通して高水準となり,登熟期間に日射量が多い年次でより整粒歩合が高かった.これらのことから,晩植条件下における密植栽培は収量・品質の安定化に有効であり,加えて,登熟期間の高温を回避しつつ日射量を確保することが収量・品質のさらなる安定化に有効であることが示唆された.
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.81.349