シマアジ仔稚魚の各種ストレス耐性に及ぼす薬用ハーブの効果

シンキク,サンザシ(Cf),カワラヨモギ,センキュウから成る4種薬用ハーブ混合物(HM)とCfのメタノール抽出エキスおよび粉末がシマアジ仔魚,沖出しおよび種苗サイズ稚魚に及ぼす飼餌料への添加効果について調べた。沖出しサイズ稚魚のハーブ区の終了時における平均体重は対照区より重かった。一方,仔魚におけるV. anguillarumの攻撃試験では,ハーブ区の生残率は対照区より有意に高かった。また,仔稚魚における干出試験ではハーブ区の生残率が高く,回復時間は短い傾向にあった。さらに,沖出し稚魚サイズにおける麻酔からの回復時間はハーブ区が対照区より短く,種苗サイズ稚魚における低比重ストレス試験の結果では,ハーブ区の半数致死時間が対照区より明らかに延長した。これらの結果から,CfおよびHMの飼餌料への添加はシマアジ仔稚魚の抗病性およびストレス耐性の向上に有効であり,種苗量産技術の確立に貢献できることが示唆された。