トリアムシノロンとシクロスポリンの併用による猫の落葉状天疱瘡の治療例

13歳齢,去勢雄の日本猫が,全身の皮膚病変を主訴に来院した.身体検査では,頭部,腰背部,腹部全域及び両下腿部に脱毛,紅斑,び爛,大型の鱗屑及び痂皮が認められた.一部痂皮を除去し細胞診を行ったところ,変性の少ない好中球と棘融解細胞が多数認められた.皮膚生検では棘融解を伴う角質下有棘層内膿疱が認められ,これらの所見は落葉状天疱瘡の所見に合致していた.プレドニゾロン及びトリアムシノロンの単剤治療を行ったが改善に乏しく,さらに肝酵素も徐々に上昇したため継続投与が困難となった.そこで低用量トリアムシノロンとシクロスポリンを併用したところ明らかに皮膚病変は軽快し,肺水腫で死亡するまで,皮疹の再発はなかった...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2012/04/20, Vol.65(4), pp.299-302
Hauptverfasser: 篠原, 雄大, 甲斐, 勝行, 川瀬, 康孝, 永田, 雅彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:13歳齢,去勢雄の日本猫が,全身の皮膚病変を主訴に来院した.身体検査では,頭部,腰背部,腹部全域及び両下腿部に脱毛,紅斑,び爛,大型の鱗屑及び痂皮が認められた.一部痂皮を除去し細胞診を行ったところ,変性の少ない好中球と棘融解細胞が多数認められた.皮膚生検では棘融解を伴う角質下有棘層内膿疱が認められ,これらの所見は落葉状天疱瘡の所見に合致していた.プレドニゾロン及びトリアムシノロンの単剤治療を行ったが改善に乏しく,さらに肝酵素も徐々に上昇したため継続投与が困難となった.そこで低用量トリアムシノロンとシクロスポリンを併用したところ明らかに皮膚病変は軽快し,肺水腫で死亡するまで,皮疹の再発はなかった.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.65.299