リンゴ新品種'ちなつ'
1. 'ちなつ'は農林省果樹試験場盛岡支場(現独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所リンゴ研究拠点)において1972年に'あかね'に'Stark Earliest'を交雑して得た実生から選抜された極早生で食味の良い二倍体の赤色リンゴ品種である。1982年に一次選抜し,1989年からリンゴ盛岡49号の系統名を付けてリンゴ第3回系統適応性・特性検定試験に供試した。1998年8月21日付けで'ちなつ'と命名され,りんご農林15号として公表された。また,2001年10月18日付けで種苗法に基づき登録番号第94...
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Veröffentlicht in: | Kaju Kenkyuujo kenkyuu houkoku 2012-03 (13), p.17-25 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. 'ちなつ'は農林省果樹試験場盛岡支場(現独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所リンゴ研究拠点)において1972年に'あかね'に'Stark Earliest'を交雑して得た実生から選抜された極早生で食味の良い二倍体の赤色リンゴ品種である。1982年に一次選抜し,1989年からリンゴ盛岡49号の系統名を付けてリンゴ第3回系統適応性・特性検定試験に供試した。1998年8月21日付けで'ちなつ'と命名され,りんご農林15号として公表された。また,2001年10月18日付けで種苗法に基づき登録番号第9402号として品種登録された。2. 樹勢は中程度で,樹姿は直立性を呈する。短果枝および腋花芽の着生が多い。開花期は'つがる'とほぼ同時期かやや早い。'つがる','ふじ'等の主要経済品種とは交雑和合である。早期および収穫前落果は少なく,収量性は中程度である。育成地における果実の成熟期は8月中旬である。斑点落葉病には抵抗性,黒星病に対しては中程度の抵抗性を有すると推察される。3. 果実の大きさは育成地では205g前後と小さいが,摘花等によって肥大を促せば250~300g程度の果実を生産することができる。果形は円形,果皮色は濃赤色で,縞が入る。年により,こうあ部にさびが発生する場合がある。糖度(Brix)は11.5%,滴定酸含量(リンゴ酸換算)は0.6g/100ml前後を示し,やや酸味が強く甘味が不足しているが,既存の極早生品種と比較すると食味良好である。日持ち性は室温で5~7日,冷蔵で53日前後とやや短いが,極早生種としては比較的優れている。4. 本品種は東北地方で旧盆時期の地場消費向け生産に適した品種として普及が期待される。 |
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ISSN: | 1347-3549 |
DOI: | 10.24514/00001995 |