モモの新品種'ひめこなつ'
1. 'ひめこなつ'は農林水産省果樹試験場(現独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所)において,182-3の自然交雑種子を1989年に胚培養して得た実生から選抜された黄肉の極早生品種である。2001年よりモモ筑波118号の系統名を付してモモ(生食用)第8回系統適応性検定試験に供試し,全国17ヶ所の試験研究機関において特性を検討した。2007年11月に'ひめこなつ'と命名して種苗法による品種登録出願を行い,2009年3月6日に登録番号17,787号として品種登録された。また,農林水産省により2008年3月に優良農作物もも農林25号として認定さ...
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Veröffentlicht in: | Kaju Kenkyuujo kenkyuu houkoku 2012-03 (13), p.7-15 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. 'ひめこなつ'は農林水産省果樹試験場(現独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所)において,182-3の自然交雑種子を1989年に胚培養して得た実生から選抜された黄肉の極早生品種である。2001年よりモモ筑波118号の系統名を付してモモ(生食用)第8回系統適応性検定試験に供試し,全国17ヶ所の試験研究機関において特性を検討した。2007年11月に'ひめこなつ'と命名して種苗法による品種登録出願を行い,2009年3月6日に登録番号17,787号として品種登録された。また,農林水産省により2008年3月に優良農作物もも農林25号として認定された。2. 樹姿はやや直立し,樹勢は中程度である。花芽の着生は多く,花粉を有し,自家結実性である。開花期は'あかつき','日川白鳳',と同時期で,育成地で4月上旬である。生理落果は少なく,結実性は良好である。3. 'ひめこなつ'は満開後63日で収穫される極早生品種であり,育成地における果実の成熟期は6月中旬であり,'はつおとめ'とほぼ同時期に収穫される。果形は扁円形で,果実重は育成地で125gと小果である。果皮の地色は黄色で,着色は良好で裂果の発生は見られないため,無袋栽培が可能である。核は粘核で,核割れの発生が多い。育成地での果汁の糖度は11.7°Brix,酸度はpH4.64であり,果肉の粗密は中程度,果汁は多い。4. 系統適応性検定試験において果実品質,栽培上の問題がなかったことから,既存のモモの栽培地域において栽培可能と考えられるが,熟期が非常に早いため早生モモの早期出荷産地に適している。 |
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ISSN: | 1347-3549 |
DOI: | 10.24514/00001991 |