候補種雄牛生産に向けた遺伝子診断胚の効率的作出法の検討
遺伝的能力の明確な候補種雄牛を生産するためには,通常の人工授精や胚移植ではなく,移植前に遺伝子診断を済ませた胚(遺伝子診断胚)の移植を実施する必要がある。そこで,遺伝子診断胚を効率的に作出するため,過剰排卵誘起処置(S. O. V;superovulation)もしくは体外受精-培養による胚の多数作出技術の検討,遺伝子診断に用いる細胞の採取法および診断法の検討を行った。(1)超音波診断装置による主席(次席)卵胞吸引除去後翌日からS. O. Vの注射を開始すると正常胚数が増加した。(2)体外胚培養液にセリシン(蚕の繭由来の蛋白)を添加すると単一培養での胚盤胞発生率が向上した。(3)細胞採取法にお...
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Veröffentlicht in: | 鹿児島県農業開発総合センター研究報告. 畜産部門 = Bulletin of the Kagoshima Prefectural Institute for Agricultural Development. Livestock industry 2012-03 (5), p.59-65 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 遺伝的能力の明確な候補種雄牛を生産するためには,通常の人工授精や胚移植ではなく,移植前に遺伝子診断を済ませた胚(遺伝子診断胚)の移植を実施する必要がある。そこで,遺伝子診断胚を効率的に作出するため,過剰排卵誘起処置(S. O. V;superovulation)もしくは体外受精-培養による胚の多数作出技術の検討,遺伝子診断に用いる細胞の採取法および診断法の検討を行った。(1)超音波診断装置による主席(次席)卵胞吸引除去後翌日からS. O. Vの注射を開始すると正常胚数が増加した。(2)体外胚培養液にセリシン(蚕の繭由来の蛋白)を添加すると単一培養での胚盤胞発生率が向上した。(3)細胞採取法においては,桑実胚はアスピレート(細胞吸引),胚盤胞はヘルニア(透明体を切開し培養後の脱出細胞切断),新鮮胚移植にはブレイド(2分離切断)が有効であり,診断法での全遺伝子増幅方法については,Improved Primer Extension Preamplification PCR法(IPEP法;Dietmaierら,1999)を修正(modified)したm-IPEP PCR法(Hansonら,2005)を用いた方が胚の遣伝子判定率が高くなることがそれぞれ明らかとなった。これらの技術を活用して,候補種雄牛「谷幸福」「悠乃幸」「瀬戸光」を作出した。 |
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ISSN: | 1881-8617 |