犬ジステンパー脳炎の診断におけるリファレンス抗体測定の有用性

犬ジステンパー脳炎(CDE)を血清学的に診断する際の脳脊髄液への血液成分混入の指標(リファレンス抗体)として犬パルボウイルス抗体と犬アデノウイルス抗体の測定の有用性を検討した.両抗体の血清中力価/脳脊髄液中力価(S/C)値の比は検討した30頭すべて測定誤差の許容範囲内(2:1,1:1 又は1:2)であり,どちらの抗体を指標としても同様な成績が得られることが示された.CDEの診断基準である犬ジステンパーウイルス(CDV)抗体のS/C値<256を示した神経症例29頭中1頭だけがCDV抗体のS/C値がリファレンス抗体のそれに比べて低く(1:8),CDEと診断されたが,残りの28頭の両抗体のS/C値の...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2012/03/20, Vol.65(3), pp.216-220
Hauptverfasser: 相馬, 武久, 植村, 隆司, 中本, 裕也, 長谷, 生子, 小澤, 剛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:犬ジステンパー脳炎(CDE)を血清学的に診断する際の脳脊髄液への血液成分混入の指標(リファレンス抗体)として犬パルボウイルス抗体と犬アデノウイルス抗体の測定の有用性を検討した.両抗体の血清中力価/脳脊髄液中力価(S/C)値の比は検討した30頭すべて測定誤差の許容範囲内(2:1,1:1 又は1:2)であり,どちらの抗体を指標としても同様な成績が得られることが示された.CDEの診断基準である犬ジステンパーウイルス(CDV)抗体のS/C値<256を示した神経症例29頭中1頭だけがCDV抗体のS/C値がリファレンス抗体のそれに比べて低く(1:8),CDEと診断されたが,残りの28頭の両抗体のS/C値の比は誤差範囲内で診断は成立しなかった.このことはCDEの診断に際しCDV抗体だけでは誤診を招く危険性があることを示すものである.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.65.216