中国における牛乳の価格形成に関する計量分析
中国は,国民所得の増加に伴い,牛乳消費が拡大している。特に,2000年以降,牛乳消費が顕著に伸びている。一方で,2008年9月にメラミン混入事件が発生し,消費者は食品安全性を含めた品質に対する関心が高くなっている。こうした量的拡大と品質向上が同時に行われる場合,消費者の信頼を得る上で,牛乳の品質が市場価格にどう反映されるかという課題を明らかにすることは重要である。そこで,中国における牛乳の市場価格と品質の関係を捉えることを目的として,2010年10月に遼寧省大連市で市場調査を行い,牛乳の価格形成に関する品質をヘドニック法から数量的に分析した。分析結果から,商品中に含まれるタンパク質が多いほど,...
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Veröffentlicht in: | 開発学研究 2012-03, Vol.22 (3), p.51-57 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 中国は,国民所得の増加に伴い,牛乳消費が拡大している。特に,2000年以降,牛乳消費が顕著に伸びている。一方で,2008年9月にメラミン混入事件が発生し,消費者は食品安全性を含めた品質に対する関心が高くなっている。こうした量的拡大と品質向上が同時に行われる場合,消費者の信頼を得る上で,牛乳の品質が市場価格にどう反映されるかという課題を明らかにすることは重要である。そこで,中国における牛乳の市場価格と品質の関係を捉えることを目的として,2010年10月に遼寧省大連市で市場調査を行い,牛乳の価格形成に関する品質をヘドニック法から数量的に分析した。分析結果から,商品中に含まれるタンパク質が多いほど,価格が高くなることがわかった。また,外国メーカーおよびプレミアムミルクは,両者共に価格が高くなることがみてとれた。市場価格に関して,外国メーカーは,国内メーカーの通常品の50%以上割高であることがわかった。また,中国国内では,通常品とプレミアムミルクの品質格差による価格の二極化が進んでいる。 |
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ISSN: | 0918-9432 |