里山管理11年後における選択的下草刈りの効果

兵庫県下のコナラ-アベマキ群集5カ所の里山管理地において、管理の再開後、当初の管理から11年経過した時点で選択的下草刈りを実施し、種多様性保全の観点からその管理効果を検証した。選択的下草刈りを実施した結果、林内の相対光強度20%以上の地点では夏緑二次林の種を中心に種数の増加がみられたが、20%より低い地点では種数の増加がみられなかった。また、相対光強度が20%以上であっても、100m2における出現種数が80種程度に達している地点では、種数の増加がみられなかった。これらのことから、種多様性増加の制約要因は、光環境と単位面積における出現種数で表される環境収容力と考えられた。一方、選択的下草刈りを実...

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Veröffentlicht in:兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 森林林業編 2012-03 (57), p.8-11
1. Verfasser: 山瀬, 敬太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:兵庫県下のコナラ-アベマキ群集5カ所の里山管理地において、管理の再開後、当初の管理から11年経過した時点で選択的下草刈りを実施し、種多様性保全の観点からその管理効果を検証した。選択的下草刈りを実施した結果、林内の相対光強度20%以上の地点では夏緑二次林の種を中心に種数の増加がみられたが、20%より低い地点では種数の増加がみられなかった。また、相対光強度が20%以上であっても、100m2における出現種数が80種程度に達している地点では、種数の増加がみられなかった。これらのことから、種多様性増加の制約要因は、光環境と単位面積における出現種数で表される環境収容力と考えられた。一方、選択的下草刈りを実施しないと、実施した地点よりも少なくなる傾向がみられたことから、種多様性の保全効果を持続させるためには、継続的に里山管理することが重要であることが示唆された。
ISSN:1347-7749