ラオス人民民主共和国の黒米(モチ)遺伝資源の遺伝的多様性を分類するための表現形質の利用について
本研究は,2004年の雨期に,ラオス人民民主共和国の農業研究センター(Agricultural Research Centre Vientiane:ARC)で行った。その主な目的は,農業形質や形態的形質を計測することによって,集団の多様性を定量化することである。供試材料は,ラオスの53系統の低地栽培の果皮着色(紫)のモチ系統,ならびに3種類のラオスの果皮無着色のモチ系統(試験品種,Kai Noi Leuang(KNL),Hom Nang Nouan(HNN),TDK5である。調査は生産力に関わる46の形態的形質調査を3回反復の乱塊法により行った。各プロットの大きさは1.25m×5.25m,個体...
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Veröffentlicht in: | Ikushugaku kenkyu 2011-12, Vol.13 (4), p.107-111 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究は,2004年の雨期に,ラオス人民民主共和国の農業研究センター(Agricultural Research Centre Vientiane:ARC)で行った。その主な目的は,農業形質や形態的形質を計測することによって,集団の多様性を定量化することである。供試材料は,ラオスの53系統の低地栽培の果皮着色(紫)のモチ系統,ならびに3種類のラオスの果皮無着色のモチ系統(試験品種,Kai Noi Leuang(KNL),Hom Nang Nouan(HNN),TDK5である。調査は生産力に関わる46の形態的形質調査を3回反復の乱塊法により行った。各プロットの大きさは1.25m×5.25m,個体間距離は25cm×25cm,施肥量は40-30-30kg/ha(N-P2O5-K2O)とした。調査の結果,黒米(モチ)の集団が極めて多様であることが明らかになった。農業形質および形態的形質に基づいて系統樹を作成したところ,大小2つのクラスターに分かれた。大きなクラスターには,栄養器官にアントシアニン系色素を含み,開花が遅く,重量は中程度から重く,中・長粒で,葉の直立性は低いが緑色を長く保ち,倒伏しやすく脱粒しやすい系統が含まれていた。一方,小さなクラスターには緑色の栄養器官,白い柱頭,ワラ色あるいは茶色の穎を持ち,早生,葉の高い直立性,葉が枯れ落ちやすく,耐倒伏性があり,難脱粒性のある系統が含まれていた。しかしながら,各クラスター内での多様性は大きく,2つのクラスター間の系統を比べると,一部に同じ形質を有する系統も認められた。 |
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ISSN: | 1344-7629 |