農業者戸別所得補償制度の性格と限界
農業政策の目的を農家所得向上・安定化と構造改善,それによる食糧安定供給であるとすれば,戸別所得補償制度はこの目的にどの程度合致するものなのか。本稿では,戸別所得補償制度の仕組みの検討と新政策に対する賛否両論の論点を踏まえたうえで,これに答えようとした。分析からは,新制度の農家所得安定への一定の寄与は認められるものの,構造改善,自給率向上,とりわけ政策持続性に対する懸念が浮き彫りになった。日本農政がこの苦しい状況から脱却するには,まず減反政策を見直し,米価を市場に任せる,すなわち主食用米を自由に作らせ,米価を下落させることである。...
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Veröffentlicht in: | 山形大學紀要. 農學 2013-02, Vol.16 (4), p.229-239 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 農業政策の目的を農家所得向上・安定化と構造改善,それによる食糧安定供給であるとすれば,戸別所得補償制度はこの目的にどの程度合致するものなのか。本稿では,戸別所得補償制度の仕組みの検討と新政策に対する賛否両論の論点を踏まえたうえで,これに答えようとした。分析からは,新制度の農家所得安定への一定の寄与は認められるものの,構造改善,自給率向上,とりわけ政策持続性に対する懸念が浮き彫りになった。日本農政がこの苦しい状況から脱却するには,まず減反政策を見直し,米価を市場に任せる,すなわち主食用米を自由に作らせ,米価を下落させることである。 |
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ISSN: | 0513-4676 |