有機質資材由来の糸状菌種に対するホウレンソウケナガコナダニの増殖
ホウレンソウ栽培に用いられる各種の有機質資材から糸状菌を分離し,それぞれの糸状菌を食餌としたときのホウレンソウケナガコナダニ(以下,コナダニ)の増殖を調査した。コナダニの増殖率は,供試した糸状菌種によって異なり,コナダニは糸状菌種を選択的に食餌としていると考えられた。リボソームDNAの遺伝子間領域(rDNA-ITS)の配列情報に基づき糸状菌種を推定したところ,Mucor racemosus, Rhisopus oryzae, Fusarium proliferatum, Penicillium olsoniiはコナダニ増殖を促進していると考えられた。これらの糸状菌種はかや,固形発酵油粕等では優...
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Veröffentlicht in: | 土と微生物 2012/10/01, Vol.66(2), pp.58-62 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | ホウレンソウ栽培に用いられる各種の有機質資材から糸状菌を分離し,それぞれの糸状菌を食餌としたときのホウレンソウケナガコナダニ(以下,コナダニ)の増殖を調査した。コナダニの増殖率は,供試した糸状菌種によって異なり,コナダニは糸状菌種を選択的に食餌としていると考えられた。リボソームDNAの遺伝子間領域(rDNA-ITS)の配列情報に基づき糸状菌種を推定したところ,Mucor racemosus, Rhisopus oryzae, Fusarium proliferatum, Penicillium olsoniiはコナダニ増殖を促進していると考えられた。これらの糸状菌種はかや,固形発酵油粕等では優占種となっており,有機質資材を施用したときのホウレンソウ栽培におけるコナダニ増殖の要因となっていることが考えられる。一方,モミガラから分離された糸状菌でのコナダニ増殖率は低く,資材によって糸状菌が関与する場合としない場合があると考えられた。またPenicillium属の菌株では同一属内であるにも関わらず,コナダニ増殖率の高い種と全く増殖を起こさない種が存在し,コナダニ増殖の差異は遺伝的に近縁な種間においても生じることが明らかにされた。 |
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ISSN: | 0912-2184 2189-6518 |
DOI: | 10.18946/jssm.66.2_58 |