チャ樹体内デンプンの簡易分析法の検討
チャの樹体内デンプンの簡易定量法としてヨウ素呈色法 (以下,ヨウ素法) の抽出条件と有効性を検討した.ヨウ素法における最適測定波長および熱水抽出時間を検討した結果,測定波長をチャの中根デンプンの最大吸光波長である600 nmとし,抽出時間を10分以上とするのが適当であると考えられた.デンプン含量の異なる中根,太枝,成葉の試料を用いて定量を行った結果,ヨウ素法の測定値と対照法 (過塩素酸抽出・フェノール硫酸法) の測定値との間には,高い相関関係 (r=0.98) が認められ,ヨウ素法の有効性が明らかになった.ただし,デンプン含量が低濃度 (概ね30 mg g-1以下) の試料に適用する場合には,...
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Veröffentlicht in: | Japanese journal of crop science 2013, Vol.82(1), pp.63-68 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | チャの樹体内デンプンの簡易定量法としてヨウ素呈色法 (以下,ヨウ素法) の抽出条件と有効性を検討した.ヨウ素法における最適測定波長および熱水抽出時間を検討した結果,測定波長をチャの中根デンプンの最大吸光波長である600 nmとし,抽出時間を10分以上とするのが適当であると考えられた.デンプン含量の異なる中根,太枝,成葉の試料を用いて定量を行った結果,ヨウ素法の測定値と対照法 (過塩素酸抽出・フェノール硫酸法) の測定値との間には,高い相関関係 (r=0.98) が認められ,ヨウ素法の有効性が明らかになった.ただし,デンプン含量が低濃度 (概ね30 mg g-1以下) の試料に適用する場合には,ヨウ素法の測定値は対照法よりも低くなることから留意が必要であると考えられた.一方,ヨウ素法では,対照法に比べ分析時間が1/3程度に短縮され,コストが1/90に削減された.以上のことから,ヨウ素法はチャの樹体内デンプンの定量として適用が可能であり,特にデンプン濃度の高い枝や根での信頼性の高いことと,また安全性,操作性,簡便性およびコストの点で優れた方法であることが明らかになった. |
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ISSN: | 0011-1848 1349-0990 |
DOI: | 10.1626/jcs.82.63 |