昇温レオロジー測定によるクッキーのガラス転移挙動に関する研究

乾燥食品のガラス転移温度(Tg)は示差走査熱量計(DSC)によって明らかにされる.しかし,様々な成分が混在した加工食品の場合,DSC曲線は極めて複雑な挙動を示すため,Tgは不明瞭となる.筆者らはレオメーターに温度制御装置を取り付けることによって試料に一定荷重を加えた状態で等速昇温可能な測定システム(昇温レオロジー測定)を構築した.これは熱機械測定の原理に基づくものであり,ガラス転移に伴う軟化を捉えることができる.本研究ではモデルとして非晶質イヌリンを用い,DSCによって明らかにされるTgと昇温レオロジー測定によって明らかにされる軟化温度(Ts)との関係を調べ,両者は良好な正の相関を示すことを明...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Japan Journal of Food Engineering 2012/12/15, Vol.13(4), pp.109-115
Hauptverfasser: 川井, 清司, 籐, 翠, 坂井, 佑輔, 羽倉, 義雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:乾燥食品のガラス転移温度(Tg)は示差走査熱量計(DSC)によって明らかにされる.しかし,様々な成分が混在した加工食品の場合,DSC曲線は極めて複雑な挙動を示すため,Tgは不明瞭となる.筆者らはレオメーターに温度制御装置を取り付けることによって試料に一定荷重を加えた状態で等速昇温可能な測定システム(昇温レオロジー測定)を構築した.これは熱機械測定の原理に基づくものであり,ガラス転移に伴う軟化を捉えることができる.本研究ではモデルとして非晶質イヌリンを用い,DSCによって明らかにされるTgと昇温レオロジー測定によって明らかにされる軟化温度(Ts)との関係を調べ,両者は良好な正の相関を示すことを明らかにした.また,これまでにTgに関する報告が殆ど無かったクッキーを対象とし,昇温レオロジー測定によって軟化を明確に捉えられること,得られたTsは含水率の増加と共に低下することなどを明らかにした.
ISSN:1345-7942
1884-5924
DOI:10.11301/jsfe.13.109