エチレン処理されたバナナ果実切片の生理・化学的特性ならびに微生物の変化に及ぼす強酸性電解水の影響に関する研究

本研究では,強酸性電解水処理されたバナナ果実切片の追熟と微生物の関連性を調べた。エチレン処理されたライトグリーン果実の中央部から3cmの切片を調製し,それらを対照区:無処理,純水区:純水に浸漬後風乾,電解水区:強酸性電解水に浸漬後風乾,の3区に分け,非密封のポリエチレン袋に入れて20℃の室内に貯蔵し,追熟状況の観察,食味検査,生理活性と化学成分の分析を行った。電解水区の切片の果皮の黄化とシュガースポットの出現ならびに果肉の甘味の増加と渋味の減少が,他の2区より遅れた。糖含量の増加とアルコール不溶性物質の減少も電解水区が,他の2区より少し遅れた。保持中の二酸化炭素排出量とエチレン生成量のピークは...

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Veröffentlicht in:Food preservation science 2012, Vol.38(6), pp.321-328
Hauptverfasser: 阿部, 一博, 笹本, 真季子, 嘉悦, 佳子, 阿知波, 信夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では,強酸性電解水処理されたバナナ果実切片の追熟と微生物の関連性を調べた。エチレン処理されたライトグリーン果実の中央部から3cmの切片を調製し,それらを対照区:無処理,純水区:純水に浸漬後風乾,電解水区:強酸性電解水に浸漬後風乾,の3区に分け,非密封のポリエチレン袋に入れて20℃の室内に貯蔵し,追熟状況の観察,食味検査,生理活性と化学成分の分析を行った。電解水区の切片の果皮の黄化とシュガースポットの出現ならびに果肉の甘味の増加と渋味の減少が,他の2区より遅れた。糖含量の増加とアルコール不溶性物質の減少も電解水区が,他の2区より少し遅れた。保持中の二酸化炭素排出量とエチレン生成量のピークは,電解水区が他の2区より遅く,しかも低かった。強酸性電解水処理によって,果皮と果肉の生菌数が減少し,貯蔵中の増加も3区中で最も遅かった。これらのことから,強酸性電解水処理はバナナ果実切片の追熟を遅らせるが,それには微生物が関与する可能性があることを明らかにした。
ISSN:1344-1213
2186-1277
DOI:10.5891/jafps.38.321