黒毛和種新生子牛における膀胱破裂の1例

生後5日齢の黒毛和種子牛における膀胱破裂の診断と治療を行った.症例は腹部膨満,起立不能,脱水,呼気は尿臭を呈していた.腹部X線検査及び腹部超音波検査で腹腔内の液体貯留が示唆され,腹腔穿刺により尿腹と診断された.膀胱破裂を疑い,塩酸キシラジン0.1mg/kg の静脈内投与後,仰臥位に保定して開腹手術を行った.手術開始直後から心電図異常がみられ,腹水除去中に心停止となったが,酢酸リンゲルの急速投与と昇圧剤の投与により回復した.膀胱背側部の裂創を縫合・閉鎖し,腹腔内を洗浄後閉腹した.術後4日間抗生剤を全身投与した.術後1年を経過した現在,子牛の発育は良好である....

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2012/12/22, Vol.65(12), pp.921-924
Hauptverfasser: 菊地, 利紀, 懸田, 和子, 菊池, 薫, 佐々木, 恒弥, Kim, Daniel, Devkota, Bhuminand, 宮野, 安奈, 山岸, 則夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:生後5日齢の黒毛和種子牛における膀胱破裂の診断と治療を行った.症例は腹部膨満,起立不能,脱水,呼気は尿臭を呈していた.腹部X線検査及び腹部超音波検査で腹腔内の液体貯留が示唆され,腹腔穿刺により尿腹と診断された.膀胱破裂を疑い,塩酸キシラジン0.1mg/kg の静脈内投与後,仰臥位に保定して開腹手術を行った.手術開始直後から心電図異常がみられ,腹水除去中に心停止となったが,酢酸リンゲルの急速投与と昇圧剤の投与により回復した.膀胱背側部の裂創を縫合・閉鎖し,腹腔内を洗浄後閉腹した.術後4日間抗生剤を全身投与した.術後1年を経過した現在,子牛の発育は良好である.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.65.921