メタン発酵消化液の水田への異なる施用方法が水田土壌中の窒素動態およびイネの生育に及ぼす影響

メタン発酵施設による畜産廃棄物および食品残渣の処理がバイオマス資源の利活用技術として行われており,メタン発酵消化液の肥料としての利用が模索されている.消化液は液状であるために,粒状の化学肥料とは異なる施用方法を検討する必要がある.本研究では,消化液の「流し込み」,「表面散布(散布直後に耕起)」,「土壌内散布」の3種の施用方法を設定し,施用方法の違いによる土壌窒素濃度,イネの収量,排水への窒素負荷量への影響を比較検討した.その結果,作土のアンモニア態窒素濃度と溶存態有機態窒素濃度が土壌内散布区,流し込み区よりも表面散布区で高く推移し,イネの収量は表面散布区で最多となった.また,幼穂分化期前後の溶...

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Veröffentlicht in:Nōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū 2011/08/25, Vol.79(4), pp.265-274
Hauptverfasser: 渡部, 慧子, 中村, 公人, 柳, 讚錫, 飯田, 訓久, 川島, 茂人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:メタン発酵施設による畜産廃棄物および食品残渣の処理がバイオマス資源の利活用技術として行われており,メタン発酵消化液の肥料としての利用が模索されている.消化液は液状であるために,粒状の化学肥料とは異なる施用方法を検討する必要がある.本研究では,消化液の「流し込み」,「表面散布(散布直後に耕起)」,「土壌内散布」の3種の施用方法を設定し,施用方法の違いによる土壌窒素濃度,イネの収量,排水への窒素負荷量への影響を比較検討した.その結果,作土のアンモニア態窒素濃度と溶存態有機態窒素濃度が土壌内散布区,流し込み区よりも表面散布区で高く推移し,イネの収量は表面散布区で最多となった.また,幼穂分化期前後の溶存態有機態窒素とイネの収量との間に有意な相関が見られた.排水負荷量は消化液散布区と化学肥料区の間に大きな差は見られなかった.
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.79.265