山羊関節炎・脳脊髄炎の新しい診断法の開発
山羊関節炎・脳脊髄炎(CAE)の新たな診断法として,ELISA法およびリアルタイムPCR法の開発を試みた。精製ウイルス(wCAEV)と大腸菌組換え蛋白質(rPr55gag)を抗原とした二種類のELISA法(wELISAおよびrELISA)を開発し,その精度をwCAEVを抗原としたウエスタンブロット法(wWB)による野外血清745検体の検査結果を基に分析した。wWBに対するwELISAの感度・特異度は80.4%および78.0%であり,rELISAの感度・特異度は78.2%および61.1%と低かった。しかし,rPr55gagを抗原としたrWBの感度・特異度は,93.0%および96.3%と現行のCA...
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Veröffentlicht in: | 動物衛生研究所研究報告 2011-02 (117), p.55-61 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 山羊関節炎・脳脊髄炎(CAE)の新たな診断法として,ELISA法およびリアルタイムPCR法の開発を試みた。精製ウイルス(wCAEV)と大腸菌組換え蛋白質(rPr55gag)を抗原とした二種類のELISA法(wELISAおよびrELISA)を開発し,その精度をwCAEVを抗原としたウエスタンブロット法(wWB)による野外血清745検体の検査結果を基に分析した。wWBに対するwELISAの感度・特異度は80.4%および78.0%であり,rELISAの感度・特異度は78.2%および61.1%と低かった。しかし,rPr55gagを抗原としたrWBの感度・特異度は,93.0%および96.3%と現行のCAEV診断法である寒天ゲル内沈降試験と同等の精度を有することが分かった。このことからrWBは,抗原調製に時間を要するwWBに代わるCAEVの確定診断法として利用可能と考えられる。また,各抗原を用いて単クローン抗体およびウサギ免疫血清を作製した。各抗体は間接蛍光抗体法もしくは酵素抗体法において抗原と特異的な反応を示したことから,病性鑑定等における抗原検出に利用可能と考えられる。さらに,CAEVのコア蛋白遺伝子を標的としたリアルタイムPCR法は,現行のnested PCR法と同等の感度を有しており,多検体の検査における活用が期待される。 |
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ISSN: | 1347-2542 |
DOI: | 10.24514/00002206 |