芳香性イチゴ10倍体種間雑種品種 '桃薫' の育成とその特性

1) ‘桃薫’は,8倍体栽培種Fragaria×ananassa‘カレンペリー' と2倍体野生種F. nilgerrensisとの交雑による5倍体を倍加処理した複倍数性10抗体種間雑種系統K58N7-21 を種子親,‘久留米IH1号'(‘とよのか’X F. nilgerrensis) を花粉親とした交配次代である. 2) 草勢は強く花房は直立して開花し,果房は長く, 果数は多い. 3) 極晩生であり,促成栽培による年内収穫は困難であるが,栽培全期間の収量は多い. 4) 果房内において,頂果(第1次果)は大きいが, 第2次果・第3次果と高次になるにつれて果実は小さくなる. そ...

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Veröffentlicht in:野菜茶業研究所研究報告 2011-02 (10), p.59-67
Hauptverfasser: 野口, 裕司, 森下, 昌三, 室, 崇人, 小島, 昭夫, 坂田, 好輝, 山田, 朋宏, 杉山, 慶太
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1) ‘桃薫’は,8倍体栽培種Fragaria×ananassa‘カレンペリー' と2倍体野生種F. nilgerrensisとの交雑による5倍体を倍加処理した複倍数性10抗体種間雑種系統K58N7-21 を種子親,‘久留米IH1号'(‘とよのか’X F. nilgerrensis) を花粉親とした交配次代である. 2) 草勢は強く花房は直立して開花し,果房は長く, 果数は多い. 3) 極晩生であり,促成栽培による年内収穫は困難であるが,栽培全期間の収量は多い. 4) 果房内において,頂果(第1次果)は大きいが, 第2次果・第3次果と高次になるにつれて果実は小さくなる. そのため, 商品果平均1果は‘とよのか’並である. 5) 果実硬度が低く輸送性は劣るが,果皮色の変化が小さく,日持ち性は‘とよのか' と同等である 6) 果皮は淡黄橙色で光沢があり,痩果の務ち込みが少なく,外観が優れる. 香気は‘久留米IH1号’と同様に強く,酸度は‘とよのか' と同等で,糖度は‘とよのか'よりやや低く,食味はやや良である. 7)香気成分は,カラメル様,ココナッツ係およびモモ様の香気成分が多く,官能的にもモモ様の香りを強く感じる. 8) 果皮色,香りの特徴を生かし,地域特産品用,贈答用,業務用,観光農園および家庭園芸用に利用できる.
ISSN:1346-6984
DOI:10.24514/00001705