琵琶湖沿岸のヨシ帯におけるニゴロブナCarassiu suratus grandoculis の初期生態とその環境への適応

ニゴロブナの繁殖場の造成要件や種苗放流適地を知るため,本種の初期生態を調査した。琵琶湖沿岸の発達したヨシ帯に放流された本種仔魚は,その岸辺付近に蝟集し,標準体長16mmまで成長して稚魚期に達するとヨシ帯を離れ始めた。ヨシ帯の岸辺付近は,餌となる動物プランクトンは多いが溶存酸素が著しく少なかった。本種仔魚は貧酸素耐性が高いうえ体比重が小さく,酸素の溶け込みが見込める水面に浮上することでその環境に適応していると考えられた。この水域は本種仔魚の摂餌場や捕食者からの退避地として機能していると思われた。...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nippon Suisan Gakkaishi 2011-05, Vol.77 (3), p.387-401
Hauptverfasser: 藤原, 公一, 臼杵, 崇広, 根本, 守仁, 北田, 修一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:ニゴロブナの繁殖場の造成要件や種苗放流適地を知るため,本種の初期生態を調査した。琵琶湖沿岸の発達したヨシ帯に放流された本種仔魚は,その岸辺付近に蝟集し,標準体長16mmまで成長して稚魚期に達するとヨシ帯を離れ始めた。ヨシ帯の岸辺付近は,餌となる動物プランクトンは多いが溶存酸素が著しく少なかった。本種仔魚は貧酸素耐性が高いうえ体比重が小さく,酸素の溶け込みが見込める水面に浮上することでその環境に適応していると考えられた。この水域は本種仔魚の摂餌場や捕食者からの退避地として機能していると思われた。
ISSN:0021-5392