米焼酎粕濃縮液の濃縮度が貯蔵性に及ぼす影響

本試験では米焼酎粕濃縮液の貯蔵にともなう品質および化学成分の変動を明らかにするために,まず,米焼酎粕原液の固液分離および濃縮の程度が化学成分に及ぼす影響を検討し,続いて濃縮度が異なる米焼酎粕濃縮液(設定水分含量80,70および60%)を異なる温度条件(30℃あるいは5℃)および異なる環境(嫌気あるいは好気条件)で14週間貯蔵した場合の品質および化学成分の変動を検討した。焼酎粕上清濃縮液(濃縮液)は焼酎粕原液に比べて,乾物当たり粗脂肪,中性デタージェント繊雄(NDFom)およびカリウム含量が低かった。粗脂肪とNDFom含量については濃縮が進むにつれて低下したが,可消化養分総量(TDN)および窒素...

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Veröffentlicht in:九州沖縄農業研究センター報告 2011-02 (55), p.15-29
Hauptverfasser: 鈴木, 知之, 服部, 育男, 田中, 正仁, 神谷, 裕子, 神谷, 充, 佐藤, 健次, 地下, 和志, 福山, 満生, 板谷, 真積, 西岡, 俊一郎#濱本, 修
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本試験では米焼酎粕濃縮液の貯蔵にともなう品質および化学成分の変動を明らかにするために,まず,米焼酎粕原液の固液分離および濃縮の程度が化学成分に及ぼす影響を検討し,続いて濃縮度が異なる米焼酎粕濃縮液(設定水分含量80,70および60%)を異なる温度条件(30℃あるいは5℃)および異なる環境(嫌気あるいは好気条件)で14週間貯蔵した場合の品質および化学成分の変動を検討した。焼酎粕上清濃縮液(濃縮液)は焼酎粕原液に比べて,乾物当たり粗脂肪,中性デタージェント繊雄(NDFom)およびカリウム含量が低かった。粗脂肪とNDFom含量については濃縮が進むにつれて低下したが,可消化養分総量(TDN)および窒素含量への濃縮処理の影響は小さかった。濃縮液の水分,貯蔵温度および貯蔵条件によらず,貯蔵14週後の乾物当たりTDNおよび窒素含量は調製時とほぼ同程度であった。設定水分60%および70%の濃縮液では,pH,水分活性,微生物相および有機酸組成の貯蔵中における変動は見られず一定した品質を保っていた。一方,水分80%の濃縮液では30℃で貯蔵した場合,酪酸およびアンモニアが生成しpHが上昇していた。以上の結果から,米焼酎粕濃縮液は水分70%以下まで濃縮すれば,3ヵ月程度の貯蔵を経ても品質および化学成分に大きな変動はないことが明らかになった。
ISSN:1346-9177
DOI:10.24514/00002135