納豆残さの添加が豚の健康に及ぼす影響
安全・安心な豚肉を消費者に提供するためには,抗菌性物質などの薬剤に頼らない生産技術が求められている。そこで本研究では納豆のプロバイオティクス機能に注目し,初生子豚に10%納豆液を1週間投与したところ,その後4週間に渡り軟便や下痢の発生が減少し,糞便中の乳酸菌数が増加した。また,3週齢から6週齢の離乳期の子豚に乾燥納豆粉末を投与し,8週齢まで発育,下痢の発生状況,糞便の乳酸菌・大腸菌数,pHおよび臭気について比較検討したところ,嗜好性は高いものの離乳期の子豚への影響は明確に出来なかった。さらに,肥育豚が体重70kgから110kgの間に飼料量の乾燥納豆粒1%及び5%量を添加し,肥育成績,肉質成績,...
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Veröffentlicht in: | 茨城県畜産センター研究報告 2010-11 (43), p.19-25 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 安全・安心な豚肉を消費者に提供するためには,抗菌性物質などの薬剤に頼らない生産技術が求められている。そこで本研究では納豆のプロバイオティクス機能に注目し,初生子豚に10%納豆液を1週間投与したところ,その後4週間に渡り軟便や下痢の発生が減少し,糞便中の乳酸菌数が増加した。また,3週齢から6週齢の離乳期の子豚に乾燥納豆粉末を投与し,8週齢まで発育,下痢の発生状況,糞便の乳酸菌・大腸菌数,pHおよび臭気について比較検討したところ,嗜好性は高いものの離乳期の子豚への影響は明確に出来なかった。さらに,肥育豚が体重70kgから110kgの間に飼料量の乾燥納豆粒1%及び5%量を添加し,肥育成績,肉質成績,糞便のpHや細菌数及び血中コレステロール値の推移を比較検討したところ,産肉性,肉質などには悪い影響は与えず,腸内細菌のうち乳酸菌群数は納豆投与により良好な菌数で安定的に推移した。それに同調するように大腸菌群数は納豆投与に従い減少し,豚の健康に対しては良い影響を与える傾向が見られた。これらのことから,納豆残さの養豚飼料への添加により飼養技術の改善による豚の健康増進やエコフィードとしての有効利用が図れるものと思われる。 |
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ISSN: | 1346-6488 |