牛白血病ウイルス感染搾乳牛における末梢血白血球ポピュレーション

牛白血病ウイルス(BLV)感染牛群における免疫状態を明らかにするため,BLV 高率感染農場における疾病発生を調査し,BLV感染牛群の白血球ポピュレーションを解析した.牛群の80%以上がBLV遺伝子検査(Nested-PCR法)にて陽性のBLV高率感染農場は,すべてが陰性の未感染農場に比べて,消化器,代謝疾患の発生件数と,その診療回数が多かった.分娩後240日以内の経産牛のうち,BLV遺伝子検査にて陽性のBLV感染牛18頭(A群)と,陰性の未感染牛23頭(B群)の白血球ポピュレーションを解析した.A群のMHCクラスⅡ+CD14-B 細胞数,CD14+単球数,WC1-N1+γδT細胞数は,B群に比...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2011/05/20, Vol.64(5), pp.375-380
Hauptverfasser: 柿沼, 清市, 大塚, 浩通, 大前, 佳穂里, 綾部, 杏子, 柿沼, 元治, 今内, 覚, 及川, 正明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:牛白血病ウイルス(BLV)感染牛群における免疫状態を明らかにするため,BLV 高率感染農場における疾病発生を調査し,BLV感染牛群の白血球ポピュレーションを解析した.牛群の80%以上がBLV遺伝子検査(Nested-PCR法)にて陽性のBLV高率感染農場は,すべてが陰性の未感染農場に比べて,消化器,代謝疾患の発生件数と,その診療回数が多かった.分娩後240日以内の経産牛のうち,BLV遺伝子検査にて陽性のBLV感染牛18頭(A群)と,陰性の未感染牛23頭(B群)の白血球ポピュレーションを解析した.A群のMHCクラスⅡ+CD14-B 細胞数,CD14+単球数,WC1-N1+γδT細胞数は,B群に比べて有意に多かった.CD335+NK細胞数は,B群に比べて低い傾向がみられた.BLV感染牛群は,免疫異常状態を示し,消化器,代謝疾患の発生に対するリスクが高まる可能性がある.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.64.375