哺乳期におけるホルスタイン種子牛の発育と内分泌および免疫状態との関係

発育不良の子牛は肺炎や下痢などに罹患しやすい.哺乳期における栄養や成長度合いと子牛の免疫システムの発達は感染症の発生とも密接に関連する.本研究の目的はホルスタイン種子牛の体型と内分泌あるいは免疫機能との関連性を検証することである.40頭の外見上病的症状が認められなかったホルスタイン種哺乳子牛を対象に,日本飼養標準・乳牛2006年に基づいて体重が標準未満であった群(低体重群;n =14)と体重および体高ともに標準を充足していた群 (対照群;n =26)に分け研究に供した.供試験牛のBody Condition Scoreおよび胸幅を測定し,末梢血白血球ポピュレーション,サイトカイン遺伝子発現量な...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2011/04/20, Vol.64(4), pp.294-299
Hauptverfasser: 大塚, 浩通, 吉敷, 芙友子, 安藤, 貴朗, 向井, 真知子, 小比類巻, 正幸, 田波, 絵里香
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:発育不良の子牛は肺炎や下痢などに罹患しやすい.哺乳期における栄養や成長度合いと子牛の免疫システムの発達は感染症の発生とも密接に関連する.本研究の目的はホルスタイン種子牛の体型と内分泌あるいは免疫機能との関連性を検証することである.40頭の外見上病的症状が認められなかったホルスタイン種哺乳子牛を対象に,日本飼養標準・乳牛2006年に基づいて体重が標準未満であった群(低体重群;n =14)と体重および体高ともに標準を充足していた群 (対照群;n =26)に分け研究に供した.供試験牛のBody Condition Scoreおよび胸幅を測定し,末梢血白血球ポピュレーション,サイトカイン遺伝子発現量ならびに成長ホルモン(GH)レセプター(R)とコルチゾルR遺伝子発現量,血清GHおよびコルチゾル濃度を測定した.低体重群では体高当たりの胸横幅が低かった.低体重群の末梢血TcR1-N12+γδT細胞数が対照群に比べ有意に減少した.また低体重群のGH濃度,単核球IL-4,IL-12,GH-R およびコルチゾル-R遺伝子発現量は低値を示した.これらのことから飼養標準に比べて低体重である子牛は細胞性免疫および液性免疫機能が低下していることが示唆された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.64.294