コサンケイにおける腸管原発粘液性腺癌
動物園で飼育されていた10歳,雄,コサンケイ(Lophura edwardsi)が死亡した. 剖検時,回腸下部から大腸上部に乳白色卵円形腫瘤(4.5×4×4cm)が認められた. 腫瘍組織はおもに腸管粘膜固有層にみられ,多量の粘液中に弧在性または集塊状に認められた. これらは薄い結合組織により取り囲まれ,蜂窩状の粘液結節を形成していた. この粘液はアルシアンブルー染色(pH1.0,pH2.5),トルイジンブルー染色,過ヨウ素酸シッフ(PAS)反応およびムチカルミン染色陽性であり,上皮性の酸性粘液と考えられた. 免疫組織化学的に腫瘍細胞は上皮の特性を示し,トリ白血病ウイルス抗原陰性であった. 粘液...
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Veröffentlicht in: | Nippon Juishikai zasshi 2010/12/20, Vol.63(12), pp.935-938 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 動物園で飼育されていた10歳,雄,コサンケイ(Lophura edwardsi)が死亡した. 剖検時,回腸下部から大腸上部に乳白色卵円形腫瘤(4.5×4×4cm)が認められた. 腫瘍組織はおもに腸管粘膜固有層にみられ,多量の粘液中に弧在性または集塊状に認められた. これらは薄い結合組織により取り囲まれ,蜂窩状の粘液結節を形成していた. この粘液はアルシアンブルー染色(pH1.0,pH2.5),トルイジンブルー染色,過ヨウ素酸シッフ(PAS)反応およびムチカルミン染色陽性であり,上皮性の酸性粘液と考えられた. 免疫組織化学的に腫瘍細胞は上皮の特性を示し,トリ白血病ウイルス抗原陰性であった. 粘液中に浮遊した腫瘍細胞塊の細胞間にはデスモゾームがみられた. 以上から,本例は鳥類で初めて報告される腸管原発の粘液性腺癌の症例と考えられた. |
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ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma.63.935 |