最近の庄川で観察されたアユの小型化

富山県庄川に生息するアユを対象に、最近の体サイズの動向を把握し、また、個体の成長に影響を及ぼす条件の解明を試みた。1990年代前期および2000年代後期の9月期の漁獲データを比較したところ、過去3年間は例年を下回る小型個体が優占したため、最近の体サイズにおける小型化傾向が実証された。耳石上の輪紋数をカウントしたところ、2010年級群には遅生まれの個体が多く、さらに、Sr/Caの経時変化から、遅い時期に河川を遡上した個体が多く認められた。個体間の体サイズ変異は、海中生活期間とは無関係に、河川生活期間の長短によって説明された。小型化傾向の引金要因には、早生まれ群を消滅させるような大規模災害の関与す...

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Veröffentlicht in:Suisan Zoshoku 2011-09, Vol.59 (3), p.459-464
Hauptverfasser: 井口, 恵一朗, 間野, 静雄, 安房田, 智司, 淀, 太我, 田子, 泰彦
Format: Artikel
Sprache:eng
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:富山県庄川に生息するアユを対象に、最近の体サイズの動向を把握し、また、個体の成長に影響を及ぼす条件の解明を試みた。1990年代前期および2000年代後期の9月期の漁獲データを比較したところ、過去3年間は例年を下回る小型個体が優占したため、最近の体サイズにおける小型化傾向が実証された。耳石上の輪紋数をカウントしたところ、2010年級群には遅生まれの個体が多く、さらに、Sr/Caの経時変化から、遅い時期に河川を遡上した個体が多く認められた。個体間の体サイズ変異は、海中生活期間とは無関係に、河川生活期間の長短によって説明された。小型化傾向の引金要因には、早生まれ群を消滅させるような大規模災害の関与する可能性が指摘された。
ISSN:0371-4217
DOI:10.11233/aquaculturesci.59.459