Stevia rebaudiana Moritaの葉から抽出した新規ステビオール配糖体の解析
Stevia rebaudiana Moritaは,守田化学工業株式会社がS. rebaudiana Bertoniから選抜育種により得た新品種であり,味質の良いレバウディオサイドAを主成分として生産する.本論文では,S. rebaudiana Moritaの葉から熱水抽出により得たステビア甘味料画分中に含まれる物質の構造を調べた結果を報告する.甘味料画分は,Amide-80カラムを用いる高速液体クロマトグラフィーによりUV 210 nmの波長で検出される20画分に分画した(SG1-SG20,Fig. 2).すべての画分で糖とステビオールが認められ,ESI-MSで単一の分子イオンが検出されたこ...
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Veröffentlicht in: | Journal of Applied Glycoscience 2010, Vol.57(3), pp.199-209 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | eng ; jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Stevia rebaudiana Moritaは,守田化学工業株式会社がS. rebaudiana Bertoniから選抜育種により得た新品種であり,味質の良いレバウディオサイドAを主成分として生産する.本論文では,S. rebaudiana Moritaの葉から熱水抽出により得たステビア甘味料画分中に含まれる物質の構造を調べた結果を報告する.甘味料画分は,Amide-80カラムを用いる高速液体クロマトグラフィーによりUV 210 nmの波長で検出される20画分に分画した(SG1-SG20,Fig. 2).すべての画分で糖とステビオールが認められ,ESI-MSで単一の分子イオンが検出されたことから,いずれの画分にも,ステビオール配糖体のみが存在することが示された.各ステビオール配糖体の構造は,ESI-MS,2段階のCID電圧を用いたESI-MS/MS,1H-,13C-NMRおよび弱酸水解,メチル化分析等の化学的方法により解析した(Table 1-3).その結果,S. rebaudiana Moritaの葉からの熱水抽出物中にはレバウディオサイドA(61.6%),ステビオサイド(9.2%),レバウディオサイドC(7.5%)等の11種の既知配糖体に加え,10種の新規ステビオール配糖体(約7%)を見いだし,それらの構造を決定した(Table 4).新規配糖体のうち比較的含量の高いSG17,SG19およびSG20は,ステビオール環の13位だけでなく,19位にも分岐糖鎖Glcβ1-2(Glcβ1-3)Glcβ1-,Rhaα1-2(Glcβ1-3)Glcβ1-,Glcβ1-3Rhaα1-2(Glcβ1-3)Glcβ1-がそれぞれ結合した構造であった.これらはレバウディオサイドAと同程度の高い甘味を呈することを見いだしたが,構造と甘味との相関について詳細な検討が必要である.本研究で用いた,Amide-80カラムを用いるHPLCはステビオール配糖体の分離定量に,多段階のCID電圧を用いるESI-MS/MSはステビオール配糖体の位置特異的糖鎖構造解析にきわめて有用な方法であることを見いだした. |
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ISSN: | 1344-7882 1880-7291 |
DOI: | 10.5458/jag.57.199 |