既存水資源の高度利用と開発途上国農村の水環境整備: 調査と計画 インドネシア国,西ヌサテンガラ州の事例より

開発途上国の農村では,安全な水の確保が緊急の課題である.ダム建設や井戸の掘削など,水源開発を主体とする従来の公共事業による水環境整備は,高額の費用と時間を要し,全ての住民が便益を享受できる訳ではない.便益を享受できない地域では,代替手段として,現存の水資源の高度利用によって水不足に対応する必要がある.小規模な設備と簡易な技術で水資源の高度利用を実現すれば,開発途上国の農村の持続的発展に有効である.研究対象地のインドネシア国西ヌサテンガラ州で行った現況調査では,肉牛飼育の拡大,薪採集による森林の荒廃が原因で水環境が悪化している状況を確認した.本論文では,調査結果と水資源の高度利用による水環境整備...

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Veröffentlicht in:Nōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū 2010/06/25, Vol.78(3), pp.141-150
Hauptverfasser: 東野, 英昭, 本嶋, 秀子, 尾崎, 益雄, Anwar, Mursan
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:開発途上国の農村では,安全な水の確保が緊急の課題である.ダム建設や井戸の掘削など,水源開発を主体とする従来の公共事業による水環境整備は,高額の費用と時間を要し,全ての住民が便益を享受できる訳ではない.便益を享受できない地域では,代替手段として,現存の水資源の高度利用によって水不足に対応する必要がある.小規模な設備と簡易な技術で水資源の高度利用を実現すれば,開発途上国の農村の持続的発展に有効である.研究対象地のインドネシア国西ヌサテンガラ州で行った現況調査では,肉牛飼育の拡大,薪採集による森林の荒廃が原因で水環境が悪化している状況を確認した.本論文では,調査結果と水資源の高度利用による水環境整備計画の概要を示す.
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.78.141