リン酸質肥料や硬化ひまし油で処理したCDU(Cyclo-Di-Urea)の粒径が窒素の無機化に及ぼす影響 : ネギの育苗時施用における肥効の発現
被覆窒素肥料を局所施用するネギの栽培では、初期生育を改善するために窒素質肥料を活着肥として本圃に施用する必要がある。そのため、施用労力の削減が求められている。そこで、アセトアルデヒド縮合尿素(CDU)を基にして、活着肥として育苗箱への窒素質肥料の施用を可能とする緩効性肥料(CM-CDU)の製造をおこなった。ネギ育苗時に施用する窒素質肥料には、土壌の電気伝導度やアンモニア濃度の上昇による生育障害を発生させないことが要求される。元肥として施用する被覆窒素肥料の効果は定植後2ヶ月にわたって低いため、窒素の肥効が2ヶ月程度続くことが好ましい。また、播きムラが少ない粒径および粒度分布の肥料であることも重...
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Veröffentlicht in: | Nippon dojō hiryōgaku zasshi 2010-06, Vol.81 (3), p.234-239 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 被覆窒素肥料を局所施用するネギの栽培では、初期生育を改善するために窒素質肥料を活着肥として本圃に施用する必要がある。そのため、施用労力の削減が求められている。そこで、アセトアルデヒド縮合尿素(CDU)を基にして、活着肥として育苗箱への窒素質肥料の施用を可能とする緩効性肥料(CM-CDU)の製造をおこなった。ネギ育苗時に施用する窒素質肥料には、土壌の電気伝導度やアンモニア濃度の上昇による生育障害を発生させないことが要求される。元肥として施用する被覆窒素肥料の効果は定植後2ヶ月にわたって低いため、窒素の肥効が2ヶ月程度続くことが好ましい。また、播きムラが少ない粒径および粒度分布の肥料であることも重要である。CM-CDU試作品の無機化は粒径が大きいほど遅く、重焼リンを添加したCDU(CM-CDU試作品1)より、熔成リン肥と硬化ひまし油を添加したCDU(CM-CDU試作品2)の方が無機化は遅かった。ネギ育苗時に施用する場合、粒径1.2〜1.4 mmのCM-CDU試作品2であれば、施用したときに播きムラが少なく、2ヶ月程度で施用窒素の80%が無機化するものを得ることができた。また、施用時や定植時に育苗土壌の表面からこぼれにくいことが必要であるが、CM-CDU試作品2は親水性を持つため土壌表面に付着しやすく、こぼれにくいと考えられた。CM-CDU試作品2の効果を調べるために、ネギの育苗時に試作品を施用し、本圃での生育を調べた。その結果、本圃に活着肥として化成肥料を施用した時と比較して同等以上の生育であった。また、施用作業に要する時間が1/8に削減された。 |
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ISSN: | 0029-0610 |