黒毛和種子牛へのホエーを主原料とした代用乳の給与試験 : ホエ一代用乳を用いた近畿産ブランド和牛のほ乳期発育改善(2)

従来の脱脂乳主体の代用乳(=対照区)、ホエーを主原料とした代用乳(ホエー代用乳)(=ホエー区)、およびホエーと脱脂乳を混合した代用乳(=混合区)用いて子牛への給与試験を実施し、発育や糞便スコア、血中成分の解析を実施した。3種類の代用乳を給与した各試験区における子牛の体重の推移および一日当たりの増体量については、有意差は認められなかった(p=0.748)。また、代用乳の摂取量は3区間で差は無かったが、スターターの摂取量は交互作用(試験区*日齢間、P<0.05)が認められ、代用乳の減量を開始する50日齢以降混合区で低下する傾向が見られた。ほ乳期間中の毎日の糞便スコアは、有意差は認められなかったが、...

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Veröffentlicht in:奈良県畜産技術センター研究報告 2010-03 (35), p.9-15
Hauptverfasser: 西野, 治, 大西, 朋子, 安川, 幸子, 赤池, 勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:従来の脱脂乳主体の代用乳(=対照区)、ホエーを主原料とした代用乳(ホエー代用乳)(=ホエー区)、およびホエーと脱脂乳を混合した代用乳(=混合区)用いて子牛への給与試験を実施し、発育や糞便スコア、血中成分の解析を実施した。3種類の代用乳を給与した各試験区における子牛の体重の推移および一日当たりの増体量については、有意差は認められなかった(p=0.748)。また、代用乳の摂取量は3区間で差は無かったが、スターターの摂取量は交互作用(試験区*日齢間、P<0.05)が認められ、代用乳の減量を開始する50日齢以降混合区で低下する傾向が見られた。ほ乳期間中の毎日の糞便スコアは、有意差は認められなかったが、対照区に比べてホエー区で高い傾向(P=0.067)がみられた一方、糞中水分値は3区間で差は無かった。糞中粗タンパク率は2〜56日齢のすべてで有意差は認められなかった。また、ホエー区で見られた特有のゼリー状の糞便は、混合区では大幅に軽減された。血中成分では、血中尿素窒素(BUN)が有意差は無いものの、14日齢以降で対照区が低くなり第一報とは逆の結果となった。一方、血中総コレステロール(T-CHO)は前回と同様に14〜42日齢でホエー区が有意に低い値(P<0.01)となったが、混合区は対照区とほぼ同様の値で推移した。以上のことから、混合型ホエー代用乳は従来の脱脂乳代用乳と同等の発育が得られ、新たな代用乳としての使用が可能である。また、ホエー区でのT-CHOの低下は脂質代謝の変化によるものと考えられたが、混合型ではT-CHOの低下が見られず、このことは独特の糞便性状の軽減と関連していると考えられた。BUNのホエー区・混合区での上昇についてはホエータンパク質が腸管から急速に吸収されることに起因すると考えられる。
ISSN:1348-5083