葉身傾斜角度による水稲の個体群吸光係数の簡易評価法の検討
水稲の個体群受光態勢にかかわる形質の遺伝解析,個体群受光態勢の育種による改良に向けて,葉身の水平からの傾斜角度(以下,葉身傾斜角度)を用いて個体群受光態勢の簡易評価が可能か否かをインド型品種のタカナリ,密陽23号,日本型品種のコシヒカリ,愛国,関取を用いて検討した.葉身傾斜角度には主茎と第1次分げつ茎に着生する葉身の間で違いはなく,主茎着生葉の葉身傾斜角度を測定することによって株全体の葉身傾斜角度を推定できることがわかった.葉身傾斜角度,個体群吸光係数の品種間差は出穂期以降に大きくなった.葉身傾斜角度は出穂期から登熟期にかけて減少したが,その程度はタカナリ,密陽23号に比較してコシヒカリ,愛国...
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Veröffentlicht in: | Japanese journal of crop science 2010, Vol.79(2), pp.174-183 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 水稲の個体群受光態勢にかかわる形質の遺伝解析,個体群受光態勢の育種による改良に向けて,葉身の水平からの傾斜角度(以下,葉身傾斜角度)を用いて個体群受光態勢の簡易評価が可能か否かをインド型品種のタカナリ,密陽23号,日本型品種のコシヒカリ,愛国,関取を用いて検討した.葉身傾斜角度には主茎と第1次分げつ茎に着生する葉身の間で違いはなく,主茎着生葉の葉身傾斜角度を測定することによって株全体の葉身傾斜角度を推定できることがわかった.葉身傾斜角度,個体群吸光係数の品種間差は出穂期以降に大きくなった.葉身傾斜角度は出穂期から登熟期にかけて減少したが,その程度はタカナリ,密陽23号に比較してコシヒカリ,愛国,関取が大きかった.個体群吸光係数はいずれの品種も登熟期に増加したが,その程度は密陽23号に比較して,コシヒカリ,愛国,関取,タカナリで大きかった.タカナリの登熟期における個体群吸光係数の増加要因は葉身傾斜角度が小さくなることではなく,大きく重い穂が傾くことにあると考えられ,登熟期における個体群吸光係数の増加要因は品種間で異なった.葉身傾斜角度と個体群吸光係数の間には穂が直立している出穂期は密接な関係があり,葉身傾斜角度によって個体群吸光係数を比較できることがわかった.しかし,穂重が大きくなる登熟中期以降は葉身傾斜角度のみでは個体群吸光係数を比較できない場合のあることがわかった. |
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ISSN: | 0011-1848 1349-0990 |
DOI: | 10.1626/jcs.79.174 |