泌乳牛への稲ワラロールラップサイレージ給与が乳生産性と栄養代謝に及ぼす影響

稲ワラロールラップサイレージ(SRS)給与が乳生産性や栄養代謝状態等に及ぼす影響を検討するため、泌乳牛10頭(初産5頭、2産以上5頭)を供試し、完全混合飼料(TMR)中のサイレージとして、SRSを乾物中11.2%(原物給与量7.5kg/日/頭)用いる試験区とデントコーン・ソルガム混播サイレージを乾物中17.7%用いる対照区を設け、一期14日間のクロスオーバー法で飼養試験を行った。(1)体重、乾物摂取量、乳量及び乳成分率では両区間に差はなかった。(2)第一胃液性状では、飼料給与後のpHは試験区が有意に高かった(p<0.05)。アンモニア態窒素と総VFAの濃度に差はなかったが、酢酸比率は飼料給与前...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告. 畜産編 2010-03 (46), p.22-27
Hauptverfasser: 山口, 悦司, 生田, 健太郎, 片岡, 敏
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:稲ワラロールラップサイレージ(SRS)給与が乳生産性や栄養代謝状態等に及ぼす影響を検討するため、泌乳牛10頭(初産5頭、2産以上5頭)を供試し、完全混合飼料(TMR)中のサイレージとして、SRSを乾物中11.2%(原物給与量7.5kg/日/頭)用いる試験区とデントコーン・ソルガム混播サイレージを乾物中17.7%用いる対照区を設け、一期14日間のクロスオーバー法で飼養試験を行った。(1)体重、乾物摂取量、乳量及び乳成分率では両区間に差はなかった。(2)第一胃液性状では、飼料給与後のpHは試験区が有意に高かった(p<0.05)。アンモニア態窒素と総VFAの濃度に差はなかったが、酢酸比率は飼料給与前・後ともに試験区が有意に高かった(p<0.05)。一方、飼料給与後における試験区のプロピオン酸及び酪酸の比率が有意に低く(p<0.05)、酢酸:プロピオン酸比が有意に高かった(p<0.05)。(3)血液性状では、両区間に差はなく、栄養代謝異常を示す所見も認められなかった。以上より、本試験における飼料構成割合でTMR給与方式によりSRSを給与した場合、乳生産性や栄養代謝等に悪影響を及ぼさないと考えられた。
ISSN:1347-7730