黒毛和種繁殖牛にみられた輸入ストローによる フェスクフット症例

黒毛和種繁殖牛約120頭を飼養する農場において,新たに購入した輸入ストロー(トールフェスク)を給与した直後から繁殖雌牛の約1割に食欲および活力の低下,後肢の肢端部の腫脹や歩様異常がみられた. 重症な5例のうち,1例では右後肢の蹄角質部が脱落した. 給与していた輸入ストローを検査したところ,エルゴバリンが1,200μg/kgの高濃度で検出され,ロリトレムBは検出限界(50μg/kg)以下であった. また,硝酸態窒素含量は630mg/kgであった. 同一ロットのストローを給与していた他の8農場中の1農場において,飼養牛の食欲および活力の低下が確認された. 同一ロットのストローの給与試験では臨床症状...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2010/02/20, Vol.63(2), pp.125-129
Hauptverfasser: 加茂前, 仁弥, 秋山, 敬孝, 岡田, 啓延, 宮崎, 茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:黒毛和種繁殖牛約120頭を飼養する農場において,新たに購入した輸入ストロー(トールフェスク)を給与した直後から繁殖雌牛の約1割に食欲および活力の低下,後肢の肢端部の腫脹や歩様異常がみられた. 重症な5例のうち,1例では右後肢の蹄角質部が脱落した. 給与していた輸入ストローを検査したところ,エルゴバリンが1,200μg/kgの高濃度で検出され,ロリトレムBは検出限界(50μg/kg)以下であった. また,硝酸態窒素含量は630mg/kgであった. 同一ロットのストローを給与していた他の8農場中の1農場において,飼養牛の食欲および活力の低下が確認された. 同一ロットのストローの給与試験では臨床症状の再現は認められなかった. 以上,本症例はその臨床症状,給与ストロー中の高いエルゴバリン含量および当該ロットストローの給与中止による症状の改善から,フェスクフットと診断した.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.63.125