めんの食感,色,生地物性に優れる小麦新品種「東海103号」の育成

愛知県農業総合試験場では農林水産省小麦育種指定試験地として、生地物性の改良及び低灰分化によるめんの食感及び色相の向上並びに早生・多収・良質を育種目標に、2001年5月に生地物性の強い「きぬの波」と早生・多収の「西海184号」を交配した後代から、DNAマーカー選抜(MAS)を組み合わせた派生系統育種法により新品種「東海103号」を育成した。「東海103号」は、MASを利用して生地物性を強める4種のグルテニン遺伝子(Glu-A1b、Glu-B1b、Glu-A3d、Glu-B3g)を集積した最初の小麦品種である。本品種は生地物性が適度に強く、やや低アミロース含量タイプでめんの食感に優れ、灰分が低く、...

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Veröffentlicht in:愛知県農業総合試験場研究報告 = Research bulletin of the Aichi-ken Agricultural Research Center 2009-12 (41), p.35-45
Hauptverfasser: 藤井, 潔, 辻, 孝子, 吉田, 朋史, 井澤, 敏彦, 船附, 稚子, 池田, 達哉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:愛知県農業総合試験場では農林水産省小麦育種指定試験地として、生地物性の改良及び低灰分化によるめんの食感及び色相の向上並びに早生・多収・良質を育種目標に、2001年5月に生地物性の強い「きぬの波」と早生・多収の「西海184号」を交配した後代から、DNAマーカー選抜(MAS)を組み合わせた派生系統育種法により新品種「東海103号」を育成した。「東海103号」は、MASを利用して生地物性を強める4種のグルテニン遺伝子(Glu-A1b、Glu-B1b、Glu-A3d、Glu-B3g)を集積した最初の小麦品種である。本品種は生地物性が適度に強く、やや低アミロース含量タイプでめんの食感に優れ、灰分が低く、めん色が明るく黄色味を帯び日本めん用に適する。子実蛋白質含量はやや低い。栽培特性としては早生、多収、良質で耐湿性にやや優れる。2009年9月に種苗法に基づく品種登録出願を行った。愛知県等の東海地域で奨励品種候補として有望視されている。
ISSN:0388-7995