飼料イネ栽培へのメタン発酵消化液の多量投入が土壌、水質、大気環境に及ぼす影響
本研究では牛ふん尿が原料であるメタン発酵消化液を肥料として飼料イネ栽培に用い,消化液の多量投入が飼料イネの生育および生産量に及ぼす影響とともに,土壌,水質,大気環境への影響についてライシメーター試験を用いて検討した. 1)消化液を窒素として30g-Nm^および60g-Nm^投入した全ての処理区において,飼料イネの生育に障害はなく1.9kgm^を超える高い収量が得られた. 2)排出水による窒素の流出量は全ての処理区で窒素投入量の4%以下であった. 3)NH_3発生量は化肥区に比べ消化液区で多かったが,消化液の投入量を増加するとNH_3発生率は減少した. 4)CH_4発生量は化肥区に比べ消化液区で...
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Veröffentlicht in: | Nippon dojō hiryōgaku zasshi 2009/12/05, Vol.80(6), pp.596-605 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 本研究では牛ふん尿が原料であるメタン発酵消化液を肥料として飼料イネ栽培に用い,消化液の多量投入が飼料イネの生育および生産量に及ぼす影響とともに,土壌,水質,大気環境への影響についてライシメーター試験を用いて検討した. 1)消化液を窒素として30g-Nm^および60g-Nm^投入した全ての処理区において,飼料イネの生育に障害はなく1.9kgm^を超える高い収量が得られた. 2)排出水による窒素の流出量は全ての処理区で窒素投入量の4%以下であった. 3)NH_3発生量は化肥区に比べ消化液区で多かったが,消化液の投入量を増加するとNH_3発生率は減少した. 4)CH_4発生量は化肥区に比べ消化液区で顕著に多かった.消化液の投入量を2倍に増加したとき,CH_4発生量は1.5〜1.7倍の増加であった.また,イネの生長に即して施肥する方法ではCH_4発生量を10%低減できることがわかった. 5)栽培前後の土壌理化学性に明瞭な変化はなかった.栽培後の土壌の化学性には処理区間で差が認められ,交換性カリウム,ナトリウム量は化肥区に比べ消化液区で高く,投入量が多いほど高い傾向を示した. 6)消化液を施肥する場合,環境負荷が少なく収量が多い方法が効率の良い施肥方法であると考えられる.飼料イネの生長に即して施肥する方法は,同量ずつ施肥を続ける方法に比べ飼料イネの収量および窒素吸収量を増加させ,環境への影響を軽減できたことからより効率の良い施肥方法であると考えられた. |
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ISSN: | 0029-0610 2424-0583 |
DOI: | 10.20710/dojo.80.6_596 |