フラクタル次元および高さと角度変化を用いた園路上の景観評価手法の開発 : 小石川後楽園・六義園を事例として

本研究では回遊式庭園における園路景観の定量評価手法の開発を目的とし、江戸時代の代表的な大名庭園である小石川後楽園及び六義園を対象とし、園路の位置計測ならびに景観に対するフラクタル解析を行った。園路の位置計測では、両庭園に対する園路の平面位置および高さの変化を比較した。その結果、両庭園における高さ変化の標準偏差は小石川後楽園が±0.811m、六義園が±0.286mと小石川後楽園が特に園路の高さ変化に富んでいることが確認された。また、両庭園の園路長に対して同一の尺度にて比較を行った場合、両庭園の位置や高さの変化には類似性が見られた。さらに、フラクタル解析により両庭園における園路上の景観を評価した結...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Tokyo Nōgyō Daigaku nōgaku shūhō 2009-12, Vol.54 (3), p.182-191
Hauptverfasser: 國井, 洋一, 加藤, 萌優美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では回遊式庭園における園路景観の定量評価手法の開発を目的とし、江戸時代の代表的な大名庭園である小石川後楽園及び六義園を対象とし、園路の位置計測ならびに景観に対するフラクタル解析を行った。園路の位置計測では、両庭園に対する園路の平面位置および高さの変化を比較した。その結果、両庭園における高さ変化の標準偏差は小石川後楽園が±0.811m、六義園が±0.286mと小石川後楽園が特に園路の高さ変化に富んでいることが確認された。また、両庭園の園路長に対して同一の尺度にて比較を行った場合、両庭園の位置や高さの変化には類似性が見られた。さらに、フラクタル解析により両庭園における園路上の景観を評価した結果、園路の位置や高さと景観の変化とは関連性が高いことが確認され、位置計測およびフラクタル次元が日本庭園における景観に対する定量的評価の指標となる可能性を示唆した。
ISSN:0375-9202