若い実生の冬芽培養によるイタヤカエデ幼植物体の再生

増殖の難しい有用広葉樹であるイタヤカエデについて、若い実生の冬芽を用いた組織培養によるクローン増殖に適した、伸長培地に添加する植物ホルモン・培地の種類及び発根培地及び発根培地支持体の種類について検討した。また、より安定的な増殖のため、培養容器内での継代培養の可能性を検討した。その結果次のことがうかがわれた。1.冬芽の伸長と発根率の向上のためには、BAPを0.5mg/L添加したWPM培地が適し、さらにGA3を0.5mg/L添加することで葉の展開が促進されると思われた。2.発根性を高めるためには、発根培地支持体としてバーミキュライトを用いた1/2MS培地が適していると思われた。3.幼植物体の順化に...

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Veröffentlicht in:静岡県農林技術研究所研究報告 = Bulletin of the Shizuoka Research Institute of Agriculture and Forestry 2009-03 (2), p.81-86
Hauptverfasser: 山本, 茂弘, 山田, 晋也, 片井, 秀幸, 袴田, 哲司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:増殖の難しい有用広葉樹であるイタヤカエデについて、若い実生の冬芽を用いた組織培養によるクローン増殖に適した、伸長培地に添加する植物ホルモン・培地の種類及び発根培地及び発根培地支持体の種類について検討した。また、より安定的な増殖のため、培養容器内での継代培養の可能性を検討した。その結果次のことがうかがわれた。1.冬芽の伸長と発根率の向上のためには、BAPを0.5mg/L添加したWPM培地が適し、さらにGA3を0.5mg/L添加することで葉の展開が促進されると思われた。2.発根性を高めるためには、発根培地支持体としてバーミキュライトを用いた1/2MS培地が適していると思われた。3.幼植物体の順化については、簡単な鉢上げ操作や湿度の調整などにより、約2週間で容易に行うことができた。4.外植体の継代培養は、BAPとGA3をともに0.5mg/L添加したWPM培地で可能であると思われた。継代培養によりシュートの発根性が高まることがうかがわれた。
ISSN:1882-8264