定量的測定に基づく内生二枚貝9種における生息姿勢の傾向

堆積物中に潜行して生活する内生二枚貝は,堆積物中で一定の姿勢をとっていることが知られている。これらを定量的に測定し,種ごとの傾向を詳細に理解,比較することは,生息姿勢の機能的,生態学的意味やその進化を理解する上で重要である。本研究では内生二枚貝9種の生息姿勢を定量的に測定し,それらの傾向を検討した。 その結果,測定したすべての二枚貝の生息姿勢の値は一定値に頻度のピークが存在する頻度分布を示し,正規分布との適合度検定から,正規分布に近い頻度分布を示すことがわかった。またアサリ,オキシジミ,ソトオリガイの3種において,個体サイズが小さくなるほど左右の姿勢にばらつきが大きくなるという傾向がみられた。...

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Veröffentlicht in:Venus 2009/09/30, Vol.68(1-2), pp.39-54
Hauptverfasser: 氏野, 優, 松隈, 明彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:堆積物中に潜行して生活する内生二枚貝は,堆積物中で一定の姿勢をとっていることが知られている。これらを定量的に測定し,種ごとの傾向を詳細に理解,比較することは,生息姿勢の機能的,生態学的意味やその進化を理解する上で重要である。本研究では内生二枚貝9種の生息姿勢を定量的に測定し,それらの傾向を検討した。 その結果,測定したすべての二枚貝の生息姿勢の値は一定値に頻度のピークが存在する頻度分布を示し,正規分布との適合度検定から,正規分布に近い頻度分布を示すことがわかった。またアサリ,オキシジミ,ソトオリガイの3種において,個体サイズが小さくなるほど左右の姿勢にばらつきが大きくなるという傾向がみられた。さらに形態にほとんど差のない近縁種ハマグリ,シナハマグリ,チョウセンハマグリの3種間で,それぞれ異なった姿勢を示すことがわかった。これらの姿勢の違いは,生息地の環境の違いを反映している可能性があり,姿勢の生態学的な意味を検討する上で重要である。
ISSN:1348-2955
2189-7697
DOI:10.18941/venus.68.1-2_39