東京農業大学厚木キャンパスにおける植物多様性の保全

神奈川県厚木市に位置する東京農業大学厚木キャンパスにおいて、約30年間の植物相の変化を明らかにするため、1976年と2004年に行われた維管束植物相の調査結果を比較検討した。その結果、厚木キャンパスの維管束植物相は、1976年に462分類群が、2004年に418分類群が確認された。両調査で確認された出現種を比較したところ、194分類群の植物が消失したことが明らかになった。消失した植物のうち167分類群が在来植物であり、12種の絶滅危惧種が含まれていた。一方、1976年に確認された植物のうち、235分類群の在来植物が2004年においても確認された。これらの在来植物はキャンパス内に残された雑木林や...

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Veröffentlicht in:Tokyo Nōgyō Daigaku nōgaku shūhō 2009-09, Vol.54 (2), p.86-102
Hauptverfasser: 野副, 健司, 宮本, 太, 廣瀬, 友二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:神奈川県厚木市に位置する東京農業大学厚木キャンパスにおいて、約30年間の植物相の変化を明らかにするため、1976年と2004年に行われた維管束植物相の調査結果を比較検討した。その結果、厚木キャンパスの維管束植物相は、1976年に462分類群が、2004年に418分類群が確認された。両調査で確認された出現種を比較したところ、194分類群の植物が消失したことが明らかになった。消失した植物のうち167分類群が在来植物であり、12種の絶滅危惧種が含まれていた。一方、1976年に確認された植物のうち、235分類群の在来植物が2004年においても確認された。これらの在来植物はキャンパス内に残された雑木林や草地などを生育場所とし、絶滅危惧種であるキンラン及びカタクリはクヌギ-コナラ林に確認された。厚木キャンパスにおける植物多様性の保全には、これらの雑木林や草地などの的確な保全が必要である。
ISSN:0375-9202