カキのフジコナカイガラムシの発生増加の原因と防除方法に関する研究
フジコナカイガラムシと天敵の年間の発生消長を内子町と松山市のカキ園で調査するとともに、薬剤の防除効果および越冬期の防除対策の効果について検討した。1)フジコナカイガラムシの多発生時期は、園地や年次間によって差がみられた。内子町の一般栽培園では、2005年にはフジコナカイガラムシを対象に計8回の防除を実施したが、収穫時の寄生果率が調査2園地とも80%程度に達した。若齢幼虫の発生のピーク時期は年次間でやや差が見られたが、年3回発生した。2)越冬個体は、内子町、松山市とも1〜2齢幼虫が94〜95%を占め、とくに内子町では2齢幼虫の比率が92.0%であった。3)天敵は、寄生蜂3種類、捕食虫3種類が確認...
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Veröffentlicht in: | 愛媛県農林水産研究所果樹研究センター研究報告 2009-03 (1), p.65-76 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | フジコナカイガラムシと天敵の年間の発生消長を内子町と松山市のカキ園で調査するとともに、薬剤の防除効果および越冬期の防除対策の効果について検討した。1)フジコナカイガラムシの多発生時期は、園地や年次間によって差がみられた。内子町の一般栽培園では、2005年にはフジコナカイガラムシを対象に計8回の防除を実施したが、収穫時の寄生果率が調査2園地とも80%程度に達した。若齢幼虫の発生のピーク時期は年次間でやや差が見られたが、年3回発生した。2)越冬個体は、内子町、松山市とも1〜2齢幼虫が94〜95%を占め、とくに内子町では2齢幼虫の比率が92.0%であった。3)天敵は、寄生蜂3種類、捕食虫3種類が確認され、このうちクロバチ類は各調査園とも発生量が多く、広範に寄生がみられた。4)天敵のトラップでの捕獲数は園地によって大きな差がみられ、薬剤散布回数が少なくなるほど、天敵の捕獲数が多くなる傾向がみられた。特に合成ピレスロイド剤は天敵の密度抑制に強く影響しているとみられた。5)スピードスプレーヤーによる防除は、樹の両側散布ではヘタ内部まで薬液が付着して高い防除効果が認められたが、片側からの散布のみではヘタ内部への付着が悪く効果が劣った。6)現在、フジコナカイガラムシに登録のある薬剤は、いずれも1齢幼虫に対しては効果が高いが、2齢幼虫に対して効果が劣る薬剤がみられるなど、齢期が進むと効果が劣った。7)マシン油乳剤は、直接殺虫効果は認められたが、圃場では効果が劣り実用的な防除効果は低かった。8)冬季の高水圧噴霧器による粗皮削りは、4月の新梢への寄生が無処理の約10分の1に抑制され、高い効果が認められた。 |
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ISSN: | 1883-7220 |