市販のストマックポンプによる知床河川のオショロコマSalvelinus malma malmaの胃内容物採集効率
北海道東部の知床半島を流れる小河川のオショロコマの食性と、市販のストマックポンプによる胃内容物中の被食生物の採集効率を調べた。胃内容被食生物中で優占した生物は、2004年5月と10月にはハエ目幼虫、6月にはヨコエビ亜目、7、8月にはトビケラ目幼虫、9月はサケ科の魚卵であった。ストマックポンプによる胃内容被食生物の採集効率は、7月の湿重量を除いて、調査期間を通じて65%以上を示し、個体数組成は回収物と胃内容物で差がなかった。ただし、被食生物として大型のトビケラ目とサケ科魚卵が優占した7、8、9月に採集効率は低下し、尾叉長と採集効率、胃充満度と採集効率の間に負の相関が認められた。よって、オショロコ...
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Veröffentlicht in: | Tokyo Nōgyō Daigaku nōgaku shūhō 2009-06, Vol.54 (1), p.28-36 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 北海道東部の知床半島を流れる小河川のオショロコマの食性と、市販のストマックポンプによる胃内容物中の被食生物の採集効率を調べた。胃内容被食生物中で優占した生物は、2004年5月と10月にはハエ目幼虫、6月にはヨコエビ亜目、7、8月にはトビケラ目幼虫、9月はサケ科の魚卵であった。ストマックポンプによる胃内容被食生物の採集効率は、7月の湿重量を除いて、調査期間を通じて65%以上を示し、個体数組成は回収物と胃内容物で差がなかった。ただし、被食生物として大型のトビケラ目とサケ科魚卵が優占した7、8、9月に採集効率は低下し、尾叉長と採集効率、胃充満度と採集効率の間に負の相関が認められた。よって、オショロコマなどの河川性サケ科魚類の食性調査にストマックポンプは有効であるが、大型の個体や携巣付きのトビケラ目幼虫やサケ科魚卵などの大型の生物を偏食している個体に対しては若干の補正が必要と思われた。これらの詳細な補正条件を明らかにすることは今後の課題として残された。 |
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ISSN: | 0375-9202 |