心膜悪性中皮腫の猫の1例

13歳の雑種猫が体の疼痛を訴えて来院した。対症療法を施した翌日に流涎と呼吸困難を呈し、腎不全を伴った心タンポナーゼが判明した。心嚢水を吸引すると状態が劇的に改善したが吸引液の性状検査からは腫瘍が示唆された。その後第14病日に再度心タンポナーゼに陥ったため、第28病日に心膜切除術を施した。切除した心膜は病理検査にて悪性中皮腫と診断された。その後、第110病日に胸水の貯留を認め、細胞検査にて心嚢水と同様の細胞構成を認めたため、悪性中皮腫による滲出性胸水と判断し、カルボプラチン(CBDCA)の胸腔内投与を行なった。すると残存する胸水は消失し、以後も胸水の貯留を認めなかった。症例は飼い主の希望から対症...

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Veröffentlicht in:山口獣医学雑誌 = The Yamaguchi journal of veterinary medicine 2008-12 (35), p.27-32
Hauptverfasser: 白永, 伸行, 本山, 祥子, 石川, 浩三, 小見山, 剛英, 白永, 純子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:13歳の雑種猫が体の疼痛を訴えて来院した。対症療法を施した翌日に流涎と呼吸困難を呈し、腎不全を伴った心タンポナーゼが判明した。心嚢水を吸引すると状態が劇的に改善したが吸引液の性状検査からは腫瘍が示唆された。その後第14病日に再度心タンポナーゼに陥ったため、第28病日に心膜切除術を施した。切除した心膜は病理検査にて悪性中皮腫と診断された。その後、第110病日に胸水の貯留を認め、細胞検査にて心嚢水と同様の細胞構成を認めたため、悪性中皮腫による滲出性胸水と判断し、カルボプラチン(CBDCA)の胸腔内投与を行なった。すると残存する胸水は消失し、以後も胸水の貯留を認めなかった。症例は飼い主の希望から対症療法のみを行なってきたが第252病日に死亡した。死亡時には上腹部に腫瘤を認め、細胞診では心嚢水、胸水同様に異型な中皮細胞を認め、腹腔内転移が示唆された。
ISSN:0388-9335